Web3、仮想通貨、NFTの税務は専門家に相談!よくある質問と解決策を徹底解説
- 2025-02-03

Web3、仮想通貨、NFTの税務は専門家に相談!よくある質問と解決策を徹底解説
仮想通貨やNFT取引の確定申告シーズンが到来!「暗号資産の損益計算が難しくて困っている…」そんなあなたのために、仮想通貨・NFT税務のプロが、よくある質問と解決策を徹底解説します。
1. 仮想通貨の損益計算の基本
仮想通貨の損益計算は、専用のツールを使うことが前提です。CryptoTax、CoinTracking、Gtaxなどのソフトウェアが利用できます。ご自身に合ったツールを選んで活用しましょう。
損益計算の基本は、取引利益を正確に計算することから始まります。重要なのは、投資開始年度からの全ての取引履歴を入力することです。2024年の損益計算をしたいからといって、2024年の取引だけを入力するのは間違いです。 2022年から投資を始めたとすれば、2022年、2023年、2024年の3年間分の取引履歴を全て入力する必要があります。
さらに、DeFi取引を行っている方は、DeFi取引による利益も全て損益計算ツールに含める必要があります。MetaMaskやPhantom Walletなど、DeFi取引で使用したウォレットの情報も正確に記録しましょう。
2. 国税庁の計算書は使える?
国税庁が発行している暗号資産の計算書は、利用できるケースは限られます。具体的には、国内取引所しか利用しておらず、仮想通貨の取引所間の移動も行っていない、DeFi取引も行っていない場合に限られます。
多くの方は、国内取引所だけでなく海外取引所も利用し、仮想通貨の移動やDeFi取引も行っているでしょう。このような場合は、国税庁の計算書は使えません。NFT取引をしている場合も、DeFi取引とみなされるため、国税庁の計算書は使用できません。
3. 取引履歴が損益計算ツールに取り込めない!
損益計算ツールに取引履歴を取り込めないという問題がよく発生します。この場合は、損益計算ツール会社のマニュアルをしっかり確認し、取引履歴を再度正確にダウンロードしてみましょう。
特に注意したいのは、取引履歴のCSVファイルは、損益計算ツールに取り込む前に開かないことです。ファイルを開いて上書き保存してしまうと、フォーマットが崩れてしまう可能性があります。ダウンロードしたファイルは、そのまま損益計算ツールに取り込み、その後で内容を確認する必要があります。
どうしても取り込めない場合は、取引所が勝手にフォーマットを変えている可能性も考えられます。その場合は、損益計算ツールのサポートセンターに連絡してみましょう。
4. 1年分の取引履歴が出力できない!
バイビットなどの取引所では、一度に6ヶ月分の取引履歴しか出力できないことがあります。しかし、2回に分けて出力することで、1年間分の取引履歴を出力可能です。
ただし、全ての取引所が1年間分の取引履歴を出力できるとは限りません。3年以上前の取引履歴が出力できない取引所も存在します。そのような場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。
5. 損益計算ツール上でエラーが多発!
損益計算ツールでエラーが多発するのもよくある問題です。特に、コインの枚数がマイナスになるエラーは、取引履歴が全てアップロードできていない、DeFiのトランザクションの一部が間違っている、取引履歴の分類が間違っているなど、様々な原因が考えられます。
まずは、計算上の枚数と実際に保有している枚数を比較しましょう。両方一致していれば問題ありません。しかし、一致しない場合は、取引履歴の漏れや、DeFi取引の自動認識の限界等、様々な原因が考えられます。
コインの枚数がマイナスになるエラーは、Etherscan、SolScan、PolygonScanなどのブロックチェーンが確認できるサイトを活用して、実際にどのような取引が行われたかを確認し、損益計算ツール上の分類に当てはめることで解決できる場合があります。
6. 損益計算ツール上のコインの枚数が合わない!
損益計算ツール上のコインの枚数と、実際に保有しているコインの枚数が合わない場合も、取引履歴が正確にアップロードされていないか、取引の分類が間違っていることが原因です。
取引履歴が正確にアップロードされているか、そして取引の分類が正しいかを確認しましょう。それでも合わない場合は、12月末に調整をするという方法があります。
具体的には、計算上の枚数が少ない場合は、不足分を利益として計上し、計算上の枚数が多い場合は、超過分を損失として計上する、という方法です。特に損失として計上する場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。
7. 損益計算ツールが対応していないチェーンはどうする?
損益計算ツールは、全てのチェーンに対応しているわけではありません。新しいチェーンが誕生すると、そのチェーンの分析が必要となるため、すぐに対応できるわけではありません。
対応していないチェーンの場合、別のサイトからCSVファイルなどでトランザクションを抽出する必要があります。StakeTaxなどのサイトを利用して、取引履歴を抽出、損益計算ツール用にカスタマイズし、入力しましょう。この作業は非常に手間がかかります。
8. 損益計算が大変すぎる!
損益計算が大変だと感じる方は、年末年始に全ての仮想通貨を換金し、日本円で計算するという方法もあります。
この方法では、投資開始年度の年末に保有していた仮想通貨とNFTを全て換金した日本円と、投資期間中に投資した日本円との差額を利益として計算します。ただし、全ての仮想通貨とNFTを換金したことがわかる資料を必ず保管しておく必要があります。
仮に、国内取引所では全ての仮想通貨を換金したとしても、海外取引所に仮想通貨が残っていれば、その部分は申告漏れとなり脱税となります。全ての仮想通貨とNFTを換金したことを証明する資料をしっかり残しておきましょう。
まとめ
仮想通貨の損益計算は複雑です。専門ツールをうまく使いこなすことが重要ですが、それでも困難なケースも多いです。迷ったら、迷わず税理士などの専門家に相談しましょう。
本記事は、音声ファイルの内容を基に作成した解説記事です。税務に関するご質問は、税理士などの専門家にご相談ください。