IZ*ONEの奇跡と涙:PRODUCE 48から解散までの軌跡

IZ*ONEの奇跡と涙:PRODUCE 48から解散までの軌跡

IZ*ONEの奇跡と涙:PRODUCE 48から解散までの軌跡

2018年、韓国と日本のアイドル候補生96名がしのぎを削ったサバイバルオーディション番組「PRODUCE 48」。この番組から誕生したグローバルガールズグループIZONE(アイズワン)は、瞬く間に世界的な人気を獲得するも、わずか2年半という短い活動期間を経て解散しました。その華麗なる軌跡と、突然の幕切れ、そしてその裏に隠された真実を深く掘り下げ、IZONEの歴史を振り返ります。

PRODUCE 48:夢の始まりと過酷な競争

2016年、Mnetが放映した「PRODUCE 101」シーズン1は、大成功を収め、IOIという大人気グループを生み出しました。その成功体験を踏まえ、Mnetは「PRODUCE 101」シーズン2(PRODUCE 101 SEASON2)、そして「PRODUCE 48」へとオーディション番組を進化させていきました。

「PRODUCE 48」は、韓国の練習生と日本のAKB48グループのメンバーからなる101名の候補生が、熾烈な競争を繰り広げ、最終的に12名でデビューするグループを決めるサバイバル番組でした。 番組を通して、練習生たちは歌、ダンス、そして人間性までも試され、視聴者の投票によって運命が大きく左右されました。

この番組における注目すべき点は、韓国と日本の文化交流だけでなく、それぞれの国のアイドル文化の融合を試みた点です。韓国の洗練されたパフォーマンスと、日本のアイドルらしい親しみやすさが絶妙に混ざり合った、新たなアイドル像が模索されました。

IZ*ONEの誕生:選ばれた12人の少女たち

数々の試練を乗り越え、ついにIZ*ONEのメンバーが決定。12人の少女たちは、それぞれの個性と才能を輝かせ、デビューを待ち望むファンの期待を一身に背負いました。

メンバー紹介:それぞれの輝き

ここでは、IZ*ONEのメンバー12名について、番組での活躍や個性を交えて詳しく見ていきましょう。

  • 장원영 (チャン・ウォニョン): Starshipエンターテインメント所属。番組開始時は13歳という若さながら、圧倒的なビジュアルと存在感で多くの視聴者を魅了しました。「巨人の赤ちゃん」という愛称で親しまれ、その明るく人懐っこい性格も人気の秘密でした。最終的にセンターポジションを獲得し、グループの中心として活躍しました。

  • 미야와키 사쿠라 (宮脇咲良): HKT48所属。既に日本での高い人気を誇っていた彼女。IZ*ONEでもその人気は不動のものであり、常に上位をキープしました。高い歌唱力と表現力に加え、圧倒的なビジュアルも相まって、グループのビジュアルメンバーとして活躍しました。

  • 조유리 (チョ・ユリ): Stone Music所属。元アイドル学校出身で、その歌唱力の高さは番組の中でも際立っていました。番組内でのパフォーマンスは、視聴者に強烈な印象を与え、メインボーカルとしての地位を確立しました。

  • 최예나 (チェ・イェナ): Yuehuaエンターテインメント所属。その抜群のオールラウンダーぶりを発揮し、歌唱力、ダンス、そしてユーモラスな性格も魅力でした。ラッパーとしても高い実力を示し、グループを盛り上げる存在となりました。

  • 김민주 (キム・ミンジュ): Urban Works所属。フィリピンでも人気の高いK-POPアイドルのCRAVITYチュンと同じ事務所に所属するビジュアルメンバーです。端正な顔立ちと落ち着いた雰囲気で多くのファンを惹きつけました。

  • 김채원 (キム・チェウォン): WMエンターテインメント所属。「天使チェウォン」の愛称で呼ばれる、美しく澄んだ歌声と妖精のような容姿が魅力のメンバー。リードボーカルとリードダンサーとしてグループを支えました。

  • 강혜원 (カン・ヘウォン): 8D Creative所属。番組序盤は低評価でしたが、その後急激な成長を見せ、人気を爆発的に伸ばしました。ラップの実力に加え、日本出身の練習生ミナミとの友情も、視聴者の心を掴みました。

  • 本田仁美 (ホンダ・ヒトミ): AKB48所属。AKB48チーム8のメンバーであり、番組参加当時はまだ知名度が低い練習生でした。しかし、独特の魅力と歌唱力で人気を博し、リードダンサーとして活躍しました。

  • 권은비 (クォン・ウンビ): WMエンターテインメント所属。2014年にK-POPグループでデビュー経験があり、IZ*ONEではその経験を活かしてリーダーとしてグループをまとめ上げました。Red Velvetのアイリーンに似た容貌も話題となりました。

  • 矢吹奈子 (ヤブキ・ナコ): HKT48所属。HKT48でも人気メンバーであったナコ。番組では、その小柄な体格ながらパワフルなパフォーマンスと愛らしい姿で、特に「Love Whisper」のパフォーマンスでの名言で爆発的な人気を獲得しました。

  • 安兪真 (アン・ユジン): Starshipエンターテインメント所属。幼い頃からCMなどに出演経験があり、IZ*ONEデビュー前から既に人気を博していたメンバー。リードボーカルとリードダンサーとして活躍し、グループに華を添えました。

IZ*ONEの快進撃:記録を塗り替える成功

2018年10月29日にデビューしたIZONEは、瞬く間にK-POPシーンを席巻しました。デビューシングル「La Vie en Rose」は、K-POPガールズグループのデビュー曲として、24時間以内の再生回数記録を塗り替え、450万回を超える再生回数を達成しました。デビューアルバム『COLORIZ』は、プラチナ認定される大ヒットとなり、その勢いはとどまることを知りませんでした。

その後も、日本でのシングルリリースや、コンサートツアー開催、そしてKCONへの出演など、IZ*ONEは精力的に活動を続けました。多くの賞を受賞し、音楽番組でも1位を獲得するなど、数々の記録を更新し続けました。

Mnet不正投票疑惑:突如襲いかかった影

しかし、IZ*ONEの輝かしい未来は、予期せぬ出来事によって暗雲に覆われます。2019年7月、Mnetが制作したオーディション番組「PRODUCE」シリーズにおける投票操作疑惑が浮上しました。その疑惑は、「PRODUCE 48」にも及ぶものでした。

多くの視聴者やネットユーザーは、番組の結果に不自然な点があると指摘し、特に宮脇咲良の最終順位について疑問を呈しました。彼女は、オンライン投票や各種ランキングで常に上位にランクインしていたにも関わらず、最終順位は2位でした。この疑惑は、韓国の芸能界を揺るがす大スキャンダルへと発展し、Mnet関係者の逮捕へと繋がりました。

解散とその後:それでも輝き続けるIZ*ONE

不正投票疑惑発覚後、IZONEの活動は一時中断。そして2020年4月29日、X1(PRODUCE X 101で結成されたグループ)に続き、IZONEは解散を迎えました。わずか2年半という短い活動期間でしたが、その間IZ*ONEは、数々の素晴らしい楽曲を世に送り出し、ファンの心を掴み続けました。

解散発表後、IZONEはファンへ感謝を伝える最後のコンサート「ONE, THE STORY」を開催。メンバーたちは涙ながらに感謝の言葉を伝え、ファンとの別れを惜しみました。このコンサートは、IZONEの歴史を象徴する、感動的な幕切れとなりました。

しかし、IZONE物語はそこで終わらなかったのです。解散後も、メンバーたちはそれぞれの道で活躍を続け、IZONE時代の実績は、K-POPの歴史に燦然と輝くものとなりました。

IZ*ONEの音楽:珠玉の楽曲たち

IZ*ONEは、数々の魅力的な楽曲でファンを魅了しました。デビュー曲「La Vie en Rose」から始まり、「Violeta」、「Secret Story of the Swan」、「Panorama」など、多くの曲がヒットを記録しました。

特に、最後のアルバム『Oneiric Diary』に収録された「Secret Story of the Swan」は、メンバーたちの歌唱力とパフォーマンスが最高潮に達した楽曲と言えます。

それぞれの楽曲に込められたメッセージ、そしてメンバーたちの表現力豊かなパフォーマンスは、多くのファンを感動させ、IZ*ONEの音楽は今もなお、多くの人々の心に響き続けています。

IZ*ONEの遺産:永遠に記憶されるグループ

不正投票という暗い影が差し込んだものの、IZONEは、多くのファンに感動と希望を与え、そして素晴らしい音楽とパフォーマンスを残しました。2年半という短い活動期間でしたが、IZONEは、K-POPの歴史に燦然と輝く、伝説的なガールズグループとして、永遠に記憶されるでしょう。

IZ*ONEの功績をまとめると:

  • デビュー曲「La Vie en Rose」の24時間再生回数記録更新
  • デビューアルバム『COLOR*IZ』のプラチナ認定
  • 音楽番組での1位獲得
  • 日本でのシングルプラチナ認定
  • 成功したコンサートツアー開催
  • KCONへの出演
  • アルバム『Bloom*iz』の売上記録更新
  • アルバム『Oneiric Diary』の売上記録更新

IZONEの物語は、成功と挫折、そして友情と別れが交錯した、ドラマチックなものでした。しかし、彼女たちの輝きは、永遠に私たちの心に刻み込まれるでしょう。そして、彼女たちが残した音楽は、これからも多くの人々に勇気を与え続けることでしょう。 IZONE、永遠に!