大食いYouTuberの健康リスク:人気の裏に潜む危険性とは?
- 2025-01-25

大食いYouTuberの健康リスク:人気の裏に潜む危険性とは?
近年、YouTubeなどで大食い動画(Mukbang)が大きな人気を集めています。しかし、その華やかな映像の裏には、健康リスクが潜んでいることをご存知でしょうか?今回は、人気大食いYouTuberを取り上げ、彼らの活動と健康状態、そして大食いによる健康への影響について詳しく解説します。
はじめに:Mukbang とは?
そもそも「Mukbang」とは、韓国語で「먹방 (mokbang)」と書きます。「먹다 (meokda) 」は「食べる」、「방송 (bangsong)」は「放送」を意味する言葉の組み合わせです。元々は、テレビ番組に出演するタレントが食事をするシーンのことを指していましたが、近年では、YouTubeなどの動画サイトで配信される、大食いをする様子を映した動画そのものを指す言葉として広く使われています。
胃腸への負担と健康被害:具体的な例
多くの視聴者を魅了する大食いYouTuberですが、その裏では深刻な健康問題を抱えているケースも多くあります。今回は、特に健康に深刻な影響が出た、または懸念されている3人のYouTuberを取り上げます。
1. 谷やんこと谷崎貴仁さん:肝臓への負担
チャンネル登録者数175万人超えの人気YouTuber、谷崎貴仁さん。大食い世界一決定戦の日本代表として活躍した経歴も持ちます。彼のYouTubeチャンネルでは、自身で大量の料理を作り、完食する様子を動画投稿していました。
しかし、2022年10月から2024年8月まで1年9ヶ月もの間、活動を休止。その理由について、SNSでは「肝臓です」とコメント。ファンからは体調不良が原因ではないかとささやかれていました。
2024年12月28日、きまぐれクックとのコラボ動画で肝臓を悪くした原因について語っています。その原因の一つは、アルコールの過剰摂取でした。1回の食事で500ml缶の六缶パックを2パック、1日に3回も飲んでいたといいます。これは1日18リットルにも相当する量で、肝臓に大きな負担がかかっていたことは想像に難くありません。
谷崎さんの場合、大食いによる過剰な食生活とアルコールの過剰摂取が、肝臓への負担を増大させ、健康を損なう原因となったと考えられます。 肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、病気になっても自覚症状が出にくい臓器です。だからこそ、日々の生活習慣に気を配り、定期的な健康診断が重要になります。
2. もえのあずきさん:過食と糖尿病の危険性
5代目爆食女王にもなったもえのあずきさんは、2019年3月にYouTubeチャンネルを開設。チャンネル開設から7ヶ月でチャンネル登録者数20万人、1年5ヶ月弱で50万人を突破する人気ぶりです。しかし、彼女の細い体格からは想像もつかないほどの大量の食べ物を平らげる姿には、驚きと同時に懸念の声も上がっています。
2016年1月、TBS系列「私の何がイケないの?」に出演した際、最新の3D技術を用いて胃袋の大きさを測定したところ、空腹時と満腹時の胃袋の大きさが約4倍にもなっていることが判明。専門家も驚く結果となりました。これは、胃が異常に拡張していることを示唆しており、長期的な健康リスクが懸念されます。
番組では、もえのあずきさんが「境界型糖尿病」であることも判明。境界型糖尿病とは、血糖値が正常値より高いものの、糖尿病と診断されるほど高くはない状態のことです。しかし、この状態を放置すると、糖尿病になるリスクが非常に高くなります。
もえのあずきさんの場合、大食いによる生活習慣の乱れが、胃の拡張と境界型糖尿病という健康問題を引き起こした可能性があります。医師からは、大食いとしての仕事は仕方がないとしても、普段の食事は控えめにするようアドバイスを受けているそうです。
2024年12月16日放送の日本テレビ系列「月曜から夜ふかし」では、白子を6kgも食べたことを告白。SNS上では「体に悪くないか」「痛風になるぞ」といった心配の声が上がっています。白子にはプリン体やコレステロールが多く含まれているため、大量に摂取することは健康に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。
3. ラスカルあら井さん:痛風と体重増加による膝の負担
「デカ盛りハンター」としても知られるラスカルあら井さんは、チャンネル登録者数1029万人を誇る人気YouTuberです。ニコニコ笑顔でデカ盛り料理を美味しそうに食べる姿から、食べ方まで綺麗だと絶賛されています。特に、デカ盛りのラーメンや9kgのカレーに挑戦する動画は人気を集めています。
しかし、彼もまた大食いによる無理が祟り、健康を損なっています。もえのあずきさんも心配していた通り、痛風になってしまったようです。
2021年、ラスカルあら井さんの公式SNSでは、尿酸値が8.6mg/dlであると投稿されました。正常値は2.1〜7mg/dlとされているため、明らかに高値です。
痛風は、尿酸という物質が関節の中で結晶化する病気です。プリン体を多く含む食品の過剰摂取が、尿酸値の上昇と痛風の原因となります。ラスカルあら井さんの場合は、白子などのプリン体が多い食品や、アルコールの摂取が痛風を招いたと考えられます。
さらに、彼の体重は135kgもあると推測されており、この体重も膝に負担をかけている可能性が高いです。2024年3月8日、自身のYouTubeチャンネルで、駅の階段で足を踏み外し、膝を痛めて歩けなくなってしまったと報告しています。5日間ほど寝たきりだったとのことです。
膝を痛めた後も食欲はあるようで、動画内では美味しそうなたこ焼きを食べる姿が見られます。膝の痛みと大食いには、体重増加による膝への負担という関連性も考えられます。
大食いによる身体への負担
短時間で大量の食べ物を摂取することは、胃腸に大きな負担をかけ、以下のようなリスクがあります。
- 胃腸機能低下: 胃腸は、一度に大量の食物を受け入れることに対応できず、機能が低下する可能性があります。
- 血糖値や脂質の急激な上昇: 血糖値や脂質が急激に上昇すると、動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まります。
- 消化不良: 大量の食べ物を消化しきれず、消化不良による腹痛や吐き気などを引き起こす可能性があります。
- 体重増加: エネルギー過剰摂取による体重増加は、様々な健康問題につながります。
吐き出すことで、体への負担を軽減できるか?
食べたものを吐き出すことで、体への吸収を抑え、ある程度の負担軽減は期待できます。しかし、吐き出す行為を繰り返すと、逆流性食道炎などの消化器系の疾患になるリスクが高まります。さらに、電解質異常を引き起こし、様々な不快感を生じさせる一因にもなる可能性があります。
まとめ:健康を意識した大食い
大食いYouTuberの事例を通して、短時間で大量に食べ物を摂取することによる健康リスクを改めて認識しました。大食いチャレンジは、特別な訓練を受けた専門家以外の人間にとっては、健康への深刻なリスクを伴います。
美味しく適量を食べること、そして定期的な健康診断を受けること。これが、健康を維持するための最も重要なポイントと言えるでしょう。 大食い動画を楽しむ際には、YouTuberの健康状態にも目を向け、彼らを応援しつつ、健康的な食生活の大切さを改めて考えてみましょう。