なぜMacは最強なのか?ARMアーキテクチャとAppleの戦略から紐解く

なぜMacは最強なのか?ARMアーキテクチャとAppleの戦略から紐解く

なぜMacは最強なのか?ARMアーキテクチャとAppleの戦略から紐解く

こんにちは、戸田哲です。今回は、デバイスとしてなぜMacが最強なのかを、OSとCPUの観点から初心者にも分かりやすく解説していきます。最後までご覧いただけたら嬉しいです。

本記事では「最強」とは、ベンチマークスコアではなく、Appleという企業の戦略と、ARMアーキテクチャを採用したことで得られたMac独自の強みについて掘り下げていきます。もしかすると、MacというよりAppleという企業が最強なのかもしれません。

スマートフォンCPUの進化とARMアーキテクチャ

皆さんはスマートフォンを使っていると思います。iPhoneやAndroidなど、スマートフォンの中身はほぼパソコンと同じです。CPU、グラフィック、メモリ、ストレージなど、パソコンと同様の構成要素を持っています。サイズは小さいですが、れっきとしたパソコンなのです。

スマートフォンメーカーは、薄くて小さい筐体の中に高性能なチップを搭載するために、膨大な苦労を重ねてきました。ゲームなどもするわけですから、消費電力が少なく、高性能なCPU(SoCと呼ばれる場合も多いですが、ここではCPUと表記します)が求められたのです。

スマートフォンCPUは、ARMアーキテクチャという設計を採用しているものが多く、このARMアーキテクチャのCPUは、驚くほど進化を遂げました。その結果、性能はパソコンのCPUを凌駕するほどになったのです。

Apple M1チップとARMアーキテクチャの採用

このスマートフォンCPUの進化をAppleは見逃しませんでした。Appleは、Mac向けにARMアーキテクチャを採用したM1チップ(M1、M2など)を搭載したMacを2020年頃からリリースしました。

その結果、驚異的な高性能と低消費電力を実現。ノートパソコンにおいては、Windowsノートパソコンを圧倒する性能となりました。

ARMアーキテクチャのメリット:独自開発による圧倒的な競争力

ARMアーキテクチャの大きなメリットは、その設計図がパッケージとして販売されている点です。メーカーは自社でCPUを開発できるのです。

Appleはこれを活用し、自社設計のM1チップ、M2チップなどを搭載したMacをリリース。OSとハードウェアを自社で制御できるという圧倒的な強みを生み出しました。

Windows陣営のジレンマ:互換性と最新技術の両立

一方、Windows陣営はOSとハードウェアを別々のメーカーが開発しています。MicrosoftがWindows OSを提供し、HPやDell、Dynabookなど様々なメーカーがパソコン本体を製造しているのです。

このため、ARMアーキテクチャのCPUを搭載したWindowsパソコンが登場したものの、既存のアプリケーションとの互換性が課題となっています。企業は、古いアプリケーションが動かなくなるリスクを負うため、新しい技術への移行に消極的なのです。

企業では5年リースなどが一般的で、OSの更新が頻繁に行われないケースが多く、Windows 10を使っている企業も少なくありません。Windows 11に更新したとしても、最新のアップデートをすぐに適用する企業は少ないでしょう。アップデートで業務が停止するリスクを回避するため、動作確認を徹底してからアップデートを実施する企業が多いのです。

結果として、ARMアーキテクチャへの移行はWindows陣営では遅々として進んでいません。

Appleの強み:企業市場への依存度が低い

AppleはMacのシェアが1割にも満たないため、企業市場への依存度が低いという特徴があります。Macを使用しているのは、個人や学生、デザイナーやグラフィック系の仕事をしている人、Webページ開発者などが多いです。

彼らは、PhotoshopやPremiere Proなどの汎用性の高いアプリケーションを使えば良いので、ARMアーキテクチャへの移行による不都合は少ないです。

WindowsとMac:異なる戦略と強み

Windows陣営は、数多くのユーザーに使える製品を提供することを重視している一方、Appleは常に最新で最高のデバイスを提供することを重視しています。

街中のデジタルサイネージ、銀行のシステムなど、Windowsは多くの企業システムを支えています。これらのシステムを、突然ARMアーキテクチャに変更することは不可能に近いです。Windowsは、互換性の維持が最優先課題となっているのです。

そのため、Windowsの世界では、ARMアーキテクチャへの移行がなかなか進まないのです。

Macの強み:最新技術への迅速な対応

Appleは、ハードウェアとソフトウェアを自社で開発しているため、ARMアーキテクチャへの移行を迅速に進めることができました。

Macユーザーの多くは、最新技術を求める傾向があり、ARMアーキテクチャへの移行にも抵抗が少ないです。結果として、MacBookは超高性能でバッテリーも持つという理想的なノートパソコンを実現しました。

結論:最強は状況次第

Macは最新技術を積極的に取り入れることで、ノートパソコンにおいて最高の性能を実現しています。しかし、Windowsは、多くのユーザーが使用できる互換性の高いシステムを提供することで、市場シェアを圧倒的に維持しています。

どちらが良いか悪いかではなく、どちらが「最強」かは状況次第です。常に最新技術を求めるユーザーにはMacが最適です。一方で、多数のアプリケーションの互換性と安定性を重視するユーザーには、Windowsが最適と言えるでしょう。

実際の使用感:動画編集などヘビーな作業との相性

知り合いからよく聞くのは、動画編集などのヘビーな作業をしたいという要望です。Windowsでももちろん可能ですが、非常に厳しい作業となるケースが多いです。Photoshopや動画編集ソフトを使いこなすには、Macの方がはるかに快適と言えるでしょう。

MacBookを使っている人からは、M1チップでも十分に動画編集ができるという声が非常に多いです。これは、Macが最先端の最新技術を採用しているからこそ実現できることです。Windowsの世界では、ARMアーキテクチャへの移行が遅れているため、同じ作業をしても厳しいものとなることが多いでしょう。

まとめ:Appleの戦略と市場のニーズ

Appleは、常に最新で最高のデバイスを提供するという戦略をとっています。その結果、Macは高い性能と使いやすさを両立し、特定のユーザー層から圧倒的な支持を得ています。一方で、Windowsは市場シェアを維持するために、互換性と安定性を重視した戦略をとっています。

どちらの戦略も間違ってはいないと言えるでしょう。そして、この違いがMacとWindowsの大きな違いを生み出しているのです。

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