LINEの闇と安全な代替アプリ:国民的アプリの裏に潜むリスクとTelegramの可能性

LINEの闇と安全な代替アプリ:国民的アプリの裏に潜むリスクとTelegramの可能性

LINEの闇と安全な代替アプリ:国民的アプリの裏に潜むリスクとTelegramの可能性

はじめに:LINEの圧倒的なシェアと隠されたリスク

皆さん、普段どのチャットアプリを使っていますか? おそらくLINEを利用している方が最も多いのではないでしょうか。国内の月間アクティブユーザー数は9700万人、普及率は全世代で9割を超えていると言われています。まさに国民的インフラとなったLINEですが、過去には大規模な不正アクセスや情報漏洩といった問題を何度も起こしています。

世界のメッセージングアプリ市場を見渡すと、LINEよりもはるかに安全な選択肢が数多く存在します。果たして日本人はLINEにこれほど依存していても大丈夫なのでしょうか? 本記事では、LINEの抱える闇とその代替案となりうるメッセージングアプリ、特にTelegramについて解説し、LINEが独り勝ちとなっている現代日本のメッセージングアプリ事情に一石を投じたいと思います。

筆者はエンジニア兼Webデザイナーの渡辺です。普段はダークウェブ関連の動画を配信していますが、今回は皆様にとって身近なツールであるLINEの闇に焦点を当ててみたいと思います。LINEは広く利用されている一方で、そのセキュリティ面に対する懸念を抱いている人が少ないと感じています。私なりの観点で、LINEの実態を紐解きながら、代替案となるアプリをご提案していきます。

LINEが日本で普及した理由:3つの要因

LINEが日本でここまで使われるようになった背景をざっくりと見ていきましょう。

  1. 圧倒的な普及率とユーザー数: 国内月間アクティブユーザー数は9700万人以上、全世代で利用率が9割を超えています。20代は約98%、60代でも80%以上と、まさに国民のコミュニケーションインフラとして定着しています。
  2. 初期戦略の成功: LINEはリリース初期から、スマホ内の電話帳を自動的に同期し、アプリを入れた瞬間に既存の知人・友人を一気に友達リストに取り込むという仕組みを採用していました。2011年当時はiOSやAndroid自体もプライバシー保護のルールが緩く、電話帳の一括読み取りが技術的に可能だったのです。これにより、インストールしたら皆がそこにいるという状態が実現し、一気にユーザー数を伸ばしました。
  3. 日本文化との親和性: 日本人は直接的な感情表現を避け、曖昧な表現を好む文化があるとされています。LINEが導入したスタンプ機能は、文章ではない一言をゆるいイラストで補完できるため、その曖昧さをうまくカバーしつつ、可愛らしくコミュニケーションが取れるスタイルを確立しました。無料・有料を含む大量のスタンプがリリースされ、日本独自のキャラクター文化ともマッチし、他のSNSが追随できない感覚的なやり取りが大人気となりました。

さらに、2011年の東日本大震災では、音声回線が混雑する中、データ通信経由でメッセージをやり取りできるアプリへの需要が急増しました。「緊急時でも繋がるアプリ」としての認知度が広がり、「とりあえず入れておこう」というユーザーが爆発的に増えました。同時期にルイジのViberというアプリも注目されましたが、使いやすさや日本語UIの完成度においてLINEが優れ、ユーザーが雪だるま式に増えた経緯があります。

LINEは韓国企業NHN Japan発のアプリですが、リリース当初から日本市場に完全特化しローカライズを進めました。日本語UIの完成度はもちろん、企業や自治体が公式アカウントを持ち、クーポンやおしらせを配信できる仕組みを早期に導入しています。コンビニや飲食チェーンなどが次々と参入することで、LINEを登録するのが当たり前という空気感を作り、日本人の生活に一気に浸透したのです。

そして、最後に重要なのが**「周りの人が使っているなら自分も使わないと不便」**という、日本人特有の同調圧力です。職場や友人グループがLINEを前提に連絡を取り合っているという環境が、決定打になっています。一度根付いてしまったコミュニティツールを切り替えるのは大変なので、代替アプリ導入が困難な状況を生み出していると言えるでしょう。

このように、技術的な抜け道、文化的要素、社会的背景などがうまく噛み合って、日本国内では今の圧倒的なシェアに達したのです。その分、セキュリティリスクが報じられても皆やめにくいという構造ができ上がってしまったとも言えるでしょう。

LINEの情報漏洩事件:繰り返されるセキュリティ問題

LINEが過去に実際に起こした重大な情報漏洩事件をいくつかピックアップしてみましょう。これを見ると、LINEが抱える闇がかなり深いことが分かると思います。

まず初めにご紹介するのは、2023年11月に起きた第三者による不正アクセス・情報漏洩事件です。

2023年11月27日、LINEは第三者による不正アクセスが原因で、ユーザーの個人情報を含むデータが流出したと公表しました。不正アクセスがいつから行われていたか、あるいはどれだけのユーザーが影響を受けたかについては、最初の公表段階では曖昧でした。その後、2024年2月14日に追加の情報漏洩や再発防止策が発表されますが、具体的な対策が不十分との声も多く、総務省が介入する事態にまで発展しています。

総務省はこの件を電気通信事業法に定める通信の秘密の漏洩に当たるとして厳しく指摘し、同年3月には文書による行政指導を実施しています。ところが、実はLINEは2021年にもユーザーの情報扱いに不備があった件で行政指導を受けていて、今回が初めてではなかったのです。当時の総務大臣は改善が見られず同様の事案が再発する場合は、更に強い措置を実行すると厳しく警告しています。

次に、サムネイル流出事件です。

これは記憶に新しい方も多いかもしれませんが、2024年11月、アルバム機能のサムネイル画像が無関係な赤の他人のLINE上に表示されるというトラブルが発覚しました。正直、これが一番ヤバいですね。私たちのプライベートな画像や、企業であれば機密情報を含む画像が全く赤の他人のデバイス上で見える状態になっていたということです。私も、身内と変な顔の写真を送ったりしているので、もう絶望ですよね、こんなの。LINEは不具合だと表明しましたが、事実上、画像のプレビューが第三者に勝手に共有されるという重大な漏洩事故です。しかも、過去にも似たような検証チェックの不備があって、修正後も結局再発しているという指摘もあり、LINEのセキュリティ対策に疑問符がついています。

また、LINEは以前からネイバーの技術支援やクラウドに大きく依存しており、海外の委託先を含めたセキュリティ管理が不十分になりがちだと指摘されています。多要素認証がなく、不正検知システムも機能していない部分があったとされ、外部からマルウェアの感染を許してネットワークへの侵入を許してしまった例もあったようです。

このように見てみますと、LINEは何度も情報漏洩や不正アクセス事件を起こしているにもかかわらず、抜本的な体制改善が追いついていない印象を受けます。国民的アプリだからこそ、一度トラブルが起こると莫大なユーザーが巻き込まれるわけですよね。総務省や個人情報保護委員会が繰り返し指摘しているのに、根本的な解決策がまだ不透明というのは正直かなり怖いですよね。LINEは安全だと思い込んでいる方も多いかもしれませんが、実際にこのような深刻な事件を繰り返しているという点は、しっかり知っておく必要があります。

LINEへの依存:なぜ日本人はLINEから離れられないのか?

なぜここまで日本人がLINEに依存してしまっているのか、その背景と問題点をもう少し掘り下げていきたいと思います。

先ほどもご紹介した通り、LINEは全世代で9割以上の利用率という数字が示すように、圧倒的なシェアを誇っています。どんな年代であっても、とりあえずLINEを使うのは当たり前になっているのです。それに加え、先ほども申し上げた通り、皆が使っているからやめづらいという同調圧力が存在します。日本社会には多数派に合わせる傾向がありますよね。学校、会社、地域コミュニティでグループLINEを活用するのが普通なので、LINEをやめる=連絡手段を失うという状態になりがちです。セキュリティが不安だから他のアプリに変えたいと思っても、周囲がLINEでないとという反応をするため、事実上移行できないような感じになっています。正直私は、できることなら今すぐアンインストールしたい派です。

そして、スタンプ文化も重要な要素です。LINEのスタンプ機能は、文章ではなくイラストで感情を伝えるという曖昧なコミュニケーションを好む日本人とマッチしたと先ほどお伝えしたと思います。気軽機能も含めて、直接的な言葉を使わずに雰囲気でやり取りできるそのゆるさが広く受け入れられた結果、他のSNSツールが日本で伸び悩んでいる一因にもなっているとされています。さらに、自治体や企業のアカウントがLINEへの依存を加速させているという構造もあります。役所の公式アカウントから防災情報を流したり、病院がLINEで予約できたりと、様々な公共ビジネス機能がLINEに移行していて、もはや電話やメールアドレスよりも先に「LINEで連絡ください」と案内される場面が増えています。インフラ化が更に強固になってきていますよね。

ただし、こうした便利さから皆が使う状態というのは、セキュリティリスクや情報漏洩の懸念を軽視するような土壌を生んでいるということもまた事実です。実際に不正アクセス事件や行政指導が繰り返されても、LINEをやめられないという利用者が大半だと思います。自分たちは被害に合わないだろうという楽観的な視点や、情報漏洩が報じられても「まあ仕方ないよね」と流されてしまう風潮というのが、日本人のセキュリティ意識の低さをそのまま浮き彫りにしているように思います。

LINEの代替アプリ:Telegramの可能性

ここからはLINE一強の日本において、他のチャットツールを使う選択肢はないのかという点を考えてみたいと思います。例えば、Telegramというアプリがありますよね。

Telegramはロシア発のチャットツールで、世界では9.5億人以上のユーザーを抱える大手アプリです。日本では犯罪組織が使っているという報道が目立って、どうしても悪いイメージが先行しがちですよね。しかし実際には、エンドツーエンド暗号化方式やシークレットチャットなど、LINEよりも厳格なセキュリティ機能を持つことで知られています。時折、ニュースを見ていると、そのニュースの映像の情報源としてTelegramの中で流れている情報が使われていたりすることもありますよね。

では、Telegramのセキュリティ面での使用についても簡単にいくつかご紹介したいと思います。

まず、先ほどもご紹介した通り、エンドツーエンド暗号化という方式を採用しています。LINEも一部暗号化は導入しているんですけれども、Telegramにおいてはシークレットチャットと呼ばれるモードで完全なE2EEを実現しているという形になりますね。第三者が会話の内容を傍受するのが非常に難しい仕組みになっていて、サーバーを運用している運営元ですらメッセージを復号できないとされています。次に、シークレットチャットと自動消去機能ですね。特定の相手とのチャットをタイム付きで自動削除させたり、スクリーンショットを相手がした時にそれを検知して通知する仕組みというのを備えているモードがありますね。機密性の高い情報を一時的にやり取りしたい場合、LINEでは実現しにくいレベルのセキュリティが確保できます。

続いては電話番号を隠せるということと、ハンドルネームで運用できるということですね。Telegramはユーザーが電話番号を公開せずに、@マークユーザー名だけで連絡先を交換することができます。LINEのように電話帳同期がデフォルトではないので、プライバシーを最小限に抑えてアカウントを運用することが可能となりますね。

また、ボットの連携とカスタマイズ性も挙げられます。オープンAPIが整備されていて、ボットを自由に作ることができます。様々な拡張機能と連携しやすく、ビジネスやコミュニティの運営にも使えるということです。私も趣味でTelegramのボットを作ったりして、ChatGPTのAPIと連携させて、自分オリジナルのAIを作ってTelegram上で普通の人と会話するみたいに会話できるようにしたりもしていたりするんですけど。一般的なユーザーにはやや取っつきにくい部分もあるかもしれませんが、機能面の自由度はLINEよりも格段に高いと言えます。

LINEとTelegramの比較:セキュリティ、インターフェース、普及率

では、TelegramとLINEを比較していきたいと思います。

まず暗号化とプライバシーに関してですが、LINEは先ほども申し上げた通り、一部の暗号化機能はあります。ただし、バックアップやサーバーとのやり取りに脆弱性があると報告があります。続いてTelegramの方は、シークレットチャットでエンドツーエンド暗号化方式を標準で搭載していて、サーバー保管も暗号化されているという点。電話番号を隠す機能などプライバシー保護が充実しているということです。

続いてインターフェース、ユーザーインターフェースですね。LINEはスタンプや気軽表示なども含めて、日本人になじみやすいUIになっていますよね。一方TelegramのUIはシンプルで高速早いということが挙げられます。カスタマイズも豊富なんですけれども、スタンプ文化っていうのはLINEほど浸透はしていないかなと思います。ただし、ステッカーというものは豊富にあって、それも無料で使えます。あと日本語に設定するには、インストール後にベータ版のパッチを当てる必要がありますので、こちら概要欄にリンク貼っておきますから、もしTelegramをインストールした人がいて、インストール後に日本語に設定したいという方がいればそのリンクにアクセスするだけで自動的に日本語の設定が完了しますからぜひお使いください。

続いて普及率の観点で見ていきたいと思います。LINEは日本国内においてはシェア90%以上。周りが使っているからやめづらいという状況があるのは先ほどお伝えした通りです。一方Telegramというのは日本であまり普及してませんね。どちらかと言うと、さっきも申し上げた通り、犯罪者が使うツールといったイメージもありますよね。ただグローバルな視点で見ると、世界的には9.5億人ほどユーザーがいるということです。

セキュリティ事故の実績としては、LINEは過去に何度も不正アクセスや情報漏洩事件が報じられていて、行政指導も受けています。一方Telegramは表立った大規模な漏洩事件は少ないですね。ただし、政治的にTelegramの使用をブロックしている国はあったりします。一部の利用者が犯罪やテロなどに利用しているという報道もあってイメージが悪い面がありますよね。ただ私が思うに、犯罪やテロに利用されているということはそれだけセキュリティやプライバシーに特化した機能が充実しているということです。犯罪の現場やテロリズムにおいても、実用的なレベルで運用できるほどセキュリティが高いと言えます。

要するにですね、Telegramは日本では怪しいアプリと思われがちなんですけれども、セキュリティ面においてはLINEよりもはるかに優れているという見方もあります。LINEのように周りとも共有しやすいような仕組みやスタンプ文化は弱いんですけれども、個人情報やプライバシーを守りたいという人には魅力的かなと思います。もちろん現実問題として、家族や職場も含めてTelegramへ一気移行というのは難しいでしょうと思います。ただ、機密情報をやり取りするプロジェクトなどにおいてはTelegramを使うとか、プライベートな領域だけTelegramに乗り換えてみる等、段階的なアプローチが考えられますよね。LINEで何でも済ませるという依存状態が続くと、先ほど述べた通り情報漏洩の問題に巻き込まれるリスクはゼロではないということを覚えておいていただければなと思います。ちなみに私はだいぶ前からTelegram利用していますし、家族や身近な人とやり取りする時は特にパスワード管理やプライベートな情報のやり取りはTelegramでやろうよという風に声を掛け合ってセキュリティを確保しています。

まとめ:LINEのセキュリティリスクを理解し、適切なツールを選択する

ここまで、日本で圧倒的なシェアを誇るLINEが抱えるセキュリティの闇や、他のチャットツール、特にTelegramという選択肢を紹介してきました。正直に言うとですね、日本社会は既にLINE頼りの部分がとても大きいですよね。行政や企業の公式アカウントまでLINEで運用されている状況で、利用者がセキュリティが不安だからやめようと思っても、周囲との連絡手段を失うリスクが大きすぎますよね。そういった理由から、何度セキュリティ事故を起こしてもLINEが変わら無いという構造があるわけです。

しかし、今回ご覧いただいたように、LINEは繰り返し不正アクセスや情報漏洩を起こしていて、総務省や個人情報保護委員会から行政指導を受け続けている状況です。日本人の約9割が使 うアプリで、大規模な事故が起これば影響は計り知れませんよね。そこでTelegramをはじめとする代替ツールに目を向けるのは一つの有効な手段ではないかなと思います。エンドツーエンド暗号化方式や電話番号の非表示モードなど、LINEにはない機能が充実していますので、例えば機密情報だけTelegramでやり取りするといった使い分けも検討できるのではないでしょうか。もちろん、周囲が使っていないツールをいきなり導入するのは現実的には難しいかもしれませんけど。でも、LINEなら何でもOKといった発想から一歩抜け出して、セキュリティやプライバシーの観点をしっかり持つということが大切ですよね。

究極のところ、チャットアプリをどう使うかは個人のリテラシー次第ですよね。国民的なアプリだからこそLINEは完璧じゃないという点を常に忘れず、必要に応じて別のツールに頼るという柔軟性を持ってみて貰えると良いかなと思います。これが今回私がお伝えしたかったメッセージになりますね。

おわりに

本日は以上です。少しでも参考になったと思ってもらえたら、チャンネル登録と高評価をお願いします。では、次回の動画でお会いしましょう。エコーチャンネル、エンジニア兼Webデザイナーの渡辺がお送りしました。それでは、バイバイ。