2024 K-POPの縮小化傾向:楽曲の長さが短くなる理由と、その影響
- 2024-12-31
2024 K-POPの縮小化傾向:楽曲の長さが短くなる理由と、その影響
はじめに:K-POPソングの短縮化への嘆き
近年、K-POPソングの楽曲の長さが短縮化している傾向にあることに、あなたは気づいていますか? 本記事では、2024年のK-POPを分析した結果、楽曲の短縮化がもたらす問題点とその背景にある理由を深く掘り下げ、考察していきます。筆者は、2024年リリースの全K-POP楽曲をレビューするという壮大な計画を進めていましたが、その過程でこの問題に直面し、計画を断念寸前にまで追い込まれました。
2024年K-POP楽曲の現状:短縮化の衝撃
筆者は2024年リリースの全K-POP楽曲をレビューする動画制作に取り組んでいました。しかし、レビューを進めるうちに、楽曲の短さに愕然としました。多くの楽曲が3分を下回り、ミニアルバム全体の長さが15分程度ということも珍しくありませんでした。
具体例として、TXTのミニアルバム「Sanctuary」を挙げることができます。このアルバムには6曲が収録されていますが、なんと1曲も3分を超えるものがありませんでした。全体の再生時間は15分程度です。
問題点:楽曲の短縮化がもたらす「未完成感」
楽曲の短縮化は、単に短いというだけでなく、楽曲の質に大きな影響を与えます。筆者によると、その最大の弊害は「未完成感」です。
多くの楽曲は、イントロやAメロ、Bメロで魅力的な展開を見せ、期待感を持たせます。しかし、短い楽曲では、その期待感を満たす「盛り上がり(Payoff)」が不足していることが多いのです。
例えば、サビに繋がるブリッジの部分がカットされていることが多く見られ、楽曲全体の構成が不完全な状態になっています。
- 具体例:
- 多くの楽曲で、盛り上がりとなるブリッジ部分が短縮、または削除されている。
- 期待感を高める導入部(セットアップ)はあるものの、それを活かす十分な展開(ペイオフ)がない。
この未完成感は、楽曲全体に「半端な」「物足りない」という印象を与え、リスナーに満足感を与えることができません。
短縮化の背景:TikTok世代とトレンド
では、なぜK-POPソングは短くなっているのでしょうか? 筆者はその背景に以下の3つの要因を見出しています。
1. トレンド追従(Trend Chasing):
近年、NewJeansなどのグループが短い楽曲で成功を収めている影響は無視できません。コンセプト、スタイリング、楽曲の長さなど、NewJeansの影響はK-POP全体に広がりを見せています。
2. TikTok戦略:
TikTokはK-POPのプロモーションにおいて不可欠なツールとなっています。短い楽曲はTikTokでの視聴に適しており、多くのK-POPグループがTikTokでの拡散を意識した楽曲制作を行うようになりました。
- TikTokへの最適化: 短い楽曲とシンプルな振り付けは、TikTokでの拡散に有利に働く。
- 手軽な視聴体験: 短い楽曲は、忙しい現代人のライフスタイルに適した視聴体験を提供する。
3. 統計数値の向上:
短い楽曲は、ストリーミング回数を増やすことに繋がります。多くの再生回数を記録することで、K-POPグループの人気を高め、より高い評価を得る可能性が高まるのです。
- ストリーミング回数の増加: 短い楽曲を何度も再生することで、ストリーミング回数を増やすことができる。
- チャート順位の向上: ストリーミング回数増加はチャート順位の向上に繋がり、グループの知名度向上に貢献する。
短縮化の落とし穴:楽曲の複雑性と「ワンノート」化
しかし、この短縮化傾向には落とし穴があります。それは、楽曲の複雑性が失われ、「ワンノート」化してしまうことです。
短い楽曲は、どうしてもシンプルな構成になりがちです。そのため、メインメロディやフックが気に入らなければ、楽曲全体を楽しむことが難しくなります。逆に、長い楽曲であれば、様々な要素を楽しむことができるため、リスナーは楽曲全体をより深く理解し、繰り返し聴くことができます。
- 例: ROSÉとBruno Marsの楽曲「Hard to Love」はキャッチーな楽曲ですが、構成がシンプルで、メインメロディが気に入らなければ、楽曲全体を楽しむことが難しい。
未来への展望:楽曲の長さと音楽性のバランス
筆者は、短い楽曲が悪いと言っているわけではありません。意図的に短く設計された楽曲は、大きなインパクトを与える可能性があります。しかし、多くの2024年のK-POP楽曲は、そのような意図的な設計とは異なる印象を受けます。
まるで、完成した楽曲から最後の1分を切り取ったかのような、未完成感が感じられます。そのため、本来の魅力が十分に発揮されていない可能性があるのです。
TXTの「Sanctuary」は、この傾向の良い例と言えます。楽曲全体は完成度の高いものではないものの、潜在的な魅力は秘めていると考えられます。
まとめ:バランスの重要性と未来への期待
K-POPの楽曲短縮化は、トレンド、TikTok戦略、統計数値の向上といった背景から生じていると考えられます。しかし、短縮化は楽曲の複雑性を損ない、「ワンノート」化、未完成感といった問題を引き起こす可能性も秘めています。
K-POP業界が、楽曲の長さと音楽性のバランスを見つけることが、今後の発展の鍵となるでしょう。 そして、リスナーは、様々な楽曲を聴き、自分にとって「良い音楽」とは何かを改めて考える必要があるのではないでしょうか。 あなたの意見もぜひ聞かせてください。
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