初心者向け 金利入門:誰でもわかる金利の基礎知識と日本経済への影響

初心者向け 金利入門:誰でもわかる金利の基礎知識と日本経済への影響

初心者向け 金利入門:誰でもわかる金利の基礎知識と日本経済への影響

金利って聞くと難しそう…と感じませんか? 銀行預金、住宅ローン、投資…私たちの日常生活に密接に関わる金利ですが、その仕組みをきちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。

このガイドでは、金融のプロである私が、長年の経験に基づいて、初心者の方にも分かりやすく金利の基礎知識を解説します。 難解な専門用語は極力避け、図解や例を用いて、金利の仕組みから、日本経済への影響まで、できるだけ分かりやすく説明します。

金利とは? 簡単に言うと…

金利とは、お金を貸し借りする時の手数料です。もっと簡単に言うと、「お金を使う権利に対する料金」と考えてもOKです。

  • 自分がお金を貸す時: 金利が高い方が儲かります。銀行預金や債券を購入する際に発生する利子がまさにこれにあたります。
  • 自分がお金を借りる時: 金利が低い方が痛みが少なくなります。住宅ローンやカードローンなど、お金を借りるときに支払う利息がこのケースです。

金利は誰が決めているの?

日々のニュースで耳にする金利ですが、実は国が決めています

しかし、国が決定した金利を元に、銀行が具体的な利率を設定します。例えば、普通預金の金利を0.002%に設定するなど、銀行が個別に決定しています。

銀行間の競争も重要

民間の銀行は、競争市場にあるため、金利設定に工夫を凝らします。例えば、住宅ローンの金利を1.5%に設定しようとしても、ライバル銀行が1.4%で融資を行っていれば、競争に負けてしまいます。そのため、顧客獲得のため、金利を1.3%に下げるなど、競争が激しく行われています。

国はなぜ金利を上げる/下げるのか?

国が金利を操作する目的は、景気を調整することです。

  • 景気を上げたい時: 金利を下げます。金利が低いと、お金を借りやすくなるため、国民は物をたくさん買い、経済を回します。現在、日本はゼロ金利政策をとっているのはまさにこのためです。 国民に「お金を借りまくって、経済を回してくれ!」という政策です。
  • 景気を下げたい時: 金利を上げます。金利が上がると、お金を借りにくくなり、景気が落ち着きます。「国民の皆さん、お金を借りすぎです!少し落ち着いてください!」という政策です。

金利を上げるもう一つの理由:将来への備え

金利を上げるもう一つの重要な理由は、将来の不況に備えるためです。現在は景気が良くても、将来必ず不況が来ます。その時に金利を下げて景気を刺激するために、余裕のある現在は金利を上げておく必要があるのです。

これは、企業が「今、業績が良いが、3ヶ月後に受注が減るかもしれない」と予想した場合、現在の受注を敢えて先送りにして、将来の不況に備えることに似ています。

日本経済と金利:ゼロ金利政策のジレンマ

現在、日本は長年に渡りゼロ金利政策を続けています。しかし、金利を下げても景気が思うように上がらないという現状があります。これは、長年のゼロ金利政策によって、既に市場が飽和状態にあるという見方もあるでしょう。

固定金利と変動金利:住宅ローンと保険商品への影響

固定金利と変動金利は、金利が固定されるか、変動するかによって異なります。

  • 固定金利: 契約時点で金利が確定します。将来、金利が上がっても下がっても、返済額は変わりません。
  • 変動金利: 契約時点では金利は確定せず、将来の金利変動によって返済額が変化します。

住宅ローン

住宅ローンでは、固定金利と変動金利のどちらを選択するかが重要になります。固定金利は安心ですが、変動金利の方が金利が低い場合があります。リスクとリターンのバランスを考えて選択する必要があります。

保険商品

保険商品、特に外貨建て積立保険でも、金利が固定されるか、変動するかによって将来の受取額が大きく変わってきます。特に外貨建て積立保険は、為替レートと金利の変動リスクが大きいことを理解する必要があります。

金利と株価:逆相関関係?

一般的に、金利と株価には逆相関関係があると言われています。つまり、

  • 金利が下がると株価は上昇
  • 金利が上がると株価は下落

とされています。これは、金利が低いと銀行預金でお金が増えないため、投資家がお金を株に回す傾向があるためです。逆に、金利が高いと銀行預金に資金が流れ、株価は下がる傾向があります。

教科書通りの動きはしない?

しかし、実際の市場では教科書通りの動きをしないことも多くあります。例えば、アメリカの長期金利が上昇する兆候が見えた時、株価下落が予想されましたが、実際には下落しませんでした。これは、アメリカが金利を上げられるほど経済状況が良いと判断され、企業の収益増加、ひいては株価上昇への期待が高まったためです。

まとめ:金利を理解して賢く利用しよう

金利は、私たちの日常生活に深く関わっている重要な要素です。金利の仕組みを理解することで、銀行預金、住宅ローン、投資など、より賢くお金を運用できるようになります。特に、固定金利と変動金利の違いを理解し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することは重要です。

最後に、私がサラリーマン時代に利用していたカードローンの金利は16%でした。金利の高さは、借入額や返済期間に大きく影響することを改めて認識しました。

このガイドが、皆さんの金利への理解を深める助けになれば幸いです。