マインクラフト都市伝説「Herobrine」の謎を解き明かす!その誕生から拡散、そして真実まで
- 2024-12-31
マインクラフトを彩る謎の存在:Herobrineとは?
世界中で愛されるゲーム『Minecraft(マインクラフト)』には、数々の都市伝説がつきまといます。その中でも特に有名なのが、謎の人物「Herobrine(へロブライン)」です。白い目をしたデフォルトスキンの人物で、プレイヤーの建造物を破壊したり、不可解な建造物を出現させたりすると言われています。しかし、このHerobrineは本当に存在するのでしょうか?それとも単なる作り話なのでしょうか?本記事では、Herobrineの起源からその人気、そしてその真相に迫ります。
Herobrineの誕生:4chanからの発信
Herobrineの噂は、匿名掲示板サイト「4chan」の/x/
ボード(超常現象を扱うボード)で初めて登場しました。あるユーザーが、自身のMinecraftの世界で奇妙な体験をしたと投稿したのが始まりです。
そのユーザーは、新しいシングルプレイヤーワールドで木を切っていたところ、遠くに動く物影を見かけました。牛かと思い近づいてみると、そこには白い目をしたデフォルトスキンの人物が立っていました。その人物は、しばらく見つめ合った後、走り去り、追いかけると姿を消しました。
その後、ユーザーはゲームを進める中で、2×2のトンネルや小さなピラミッド、葉を落とされた木々といった不可解な現象を目撃するようになりました。そして、時折、あの白い目の人物も目撃。恐怖を感じたユーザーは、ワールドを保存し、Minecraftフォーラムに投稿して他のプレイヤーに相談しました。しかし、投稿はわずか5分で削除され、ユーザーはHerobrineを名乗る人物から「Stop」というメッセージを受け取ります。Herobrineのフォーラムページにアクセスしようとすると、404エラーが表示されたとのことでした。
その後、別のプレイヤーから同じような体験をしたとのメッセージを受け取ります。そのプレイヤーは、フォーラムのプライベートメッセージでは監視されているため、メールで連絡をとるよう提案しました。
1ヶ月後、この匿名のプレイヤーから驚くべき情報がもたらされます。彼はスウェーデンのゲーマーで、Herobrineという人物を発見したとのことです。さらに、そのHerobrineはMinecraftの制作者であるNotch(ノッチ)の兄弟であることが判明しました。ユーザーは、この情報をNotchにメールで送りました。
Notchからの返事は簡潔で衝撃的でした。「確かに兄弟はいた。だが、もうこの世にはいない」と。ユーザーは二度とHerobrineを見ることがなく、唯一の証拠として画像を添付していました。
クリーピーパスタとしてのHerobrine
ここで重要なのは、このHerobrineの物語が「クリーピーパスタ」であるということです。クリーピーパスタとは、インターネット上で拡散される、都市伝説的なホラーストーリーのことです。スレンダーマンやソニック.exeなどがその代表例と言えるでしょう。
Herobrineの物語は、4chanから始まり、インターネット上に拡散されていきました。しかし、真に人気を獲得するきっかけとなったのは、ストリーマーのCopeland(コープランド)の存在です。
CopelandとBrocraft:Herobrine伝説の拡散
CopelandはLivestream.comでストリーミング活動をしていたプレイヤーでした。彼は友人たちと「Brocraft」というシリーズを始めたのですが、Herobrineの物語に感銘を受け、自身のストリーミングにHerobrineを登場させることにしました。
彼はBrocraftの世界のスクリーンショットを撮り、Photoshopを使ってHerobrineを合成しました。そして、それを配信中にチャットに公開しました。視聴者の驚きの反応を見て、CopelandはHerobrineに関する配信をすることを決意します。
当時、Minecraftには「テクスチャパック」(現在のリソースパック)がありました。これにより、ブロックの見た目や音などを変更することができました。Copelandは、絵画のテクスチャをPhotoshopでHerobrineに変更し、ゲーム内に配置しました。
彼は配信中に、Herobrineがいる部屋を避け、数時間後にその部屋へ入ると、あたかも驚いたかのように配信を終了しました。チャットは興奮の坩堝となり、CopelandはHerobrineのホークスを見事に成功させました。
さらに、彼はチャットで恐怖を煽り、Brocraftのウェブサイトにリンクを貼り付けました。ウェブサイトは、不気味な暗号めいたメッセージに変わっていました。そして、彼は配信の録画を「彼」の証拠としてMinecraftフォーラムに投稿したのです。この投稿は、モデレーターによってロックされる前に35ページもの返信を得ました。
Herobrineの継続的な人気:Modsとプレイヤーの想像力
Copelandの配信以降、Herobrineの伝説は広まりました。しかし、Copelandの配信は既に失われており、現存する動画は全て偽物です。それでも、Herobrineが忘れ去られることなく、人気を保ち続けた理由は何でしょうか?
いくつかの要因が考えられます。
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Modsの存在: Minecraftには、ゲーム内容を自由に改変できるMods(改造MOD)が存在します。多くのModsがHerobrineを追加する機能を持っており、プレイヤーはHerobrineとの遭遇シーンを簡単に作成できました。これによって、本物か偽物かの区別が曖昧になり、Herobrineの伝説をさらに強固なものにしました。
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Minecraftのマルチプレイヤーモード: マルチプレイヤーモードでは、プレイヤーが自身のスキンをHerobrine風に変更し、他のプレイヤーを驚かせることが容易にできます。初期のスクリーンショットも、この方法で撮影されたという説があります。
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Minecraftの若いプレイヤー層: Minecraftは、若いプレイヤー層に非常に人気がありました。若いプレイヤーは、Herobrineの伝説に容易に信じ込み、自らHerobrineを目撃したと主張する者が後を絶ちませんでした。
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Minecraftのバグとアップデート: Minecraftは頻繁にアップデートされ、バグが発生することもありました。ランダムに発生する火災や壁、不可解な地形変化などは、プレイヤーにHerobrineの仕業だと錯覚させる可能性がありました。
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Notchのコメント: Notch自身も、Herobrineの存在を否定しつつも、冗談めかして「いずれ追加するかも」と発言していました。この発言が、Herobrineの伝説をさらに盛り上げることになったのです。
実際、Minecraftの初期バージョンには、Herobrineのモデルになったとされる「人間」のキャラクターが存在し、後に削除されたという事実があります。この削除を記念して、パッチノートには「Removed Herobrine」と冗談として書かれていました。このパッチノートは、毎回のアップデート時に表示されるため、Herobrineの存在を想起させる要因の一つとなりました。
Herobrineの真実:都市伝説としての魅力
結局、Herobrineは存在しません。全ては、4chanでの書き込みを起点とした、インターネット上の都市伝説です。しかし、その物語は多くのプレイヤーを魅了し、Minecraft文化の一部として定着しました。
Herobrineの人気の秘密は、その不気味さと謎、そしてプレイヤーの想像力によって作られた物語にあります。Copelandらのいたずらによって広まったこの伝説は、Minecraftの進化と共に、バグやMods、そしてプレイヤーたちの創作によって、より現実味を帯びたものとして生き続けました。
今日では、HerobrineはMinecraftの「都市伝説」として、多くのプレイヤーに知られています。ベテランプレイヤーにとっては、懐かしい思い出として、また、新しいプレイヤーにとっては、ゲームにまつわる興味深い物語として認識されているでしょう。
しかし、夜遅くに一人Minecraftをプレイする際には、少しだけ背筋を伸ばしてプレイしてみるのも良いかもしれません。もしかしたら、Herobrineがあなたを見つめているかもしれませんから…。 ただし、いいねボタンを押せば大丈夫なはずです!