2024年ゲーム業界の注目すべき2つの事例:パルワ風ゲームの急激な衰退とファンタジアンの高価格戦略
- 2025-01-02
2024年ゲーム業界の注目すべき2つの事例:パルワ風ゲームの急激な衰退とファンタジアンの高価格戦略
皆さん、こんにちは。ナガイ堂です。少しお休みしていましたが、久しぶりに動画を投稿します。今回は、2024年のゲーム業界で起こった2つの興味深い事例について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
パルワ風モバイルゲーム「未来ぼうこう」の突然のサービス終了
まず1つ目は、中国の企業が開発したパルワ風モバイルゲーム「未来ぼうこう」のサービス終了です。11月頃に動画で軽く紹介したこのゲームは、実は10月からグローバルサービスが開始されていました。しかし、日本での展開はありませんでした。iOSとAndroidで配信され、Discordでサービス終了が発表されたのは1月17日。運営が停止されました。
この急激なサービス終了は衝撃的でした。なぜなら、終了の理由が「競合他社からの苦情」だったからです。これは、訴えられた=即サービス終了という、非常に迅速な対応でした。 多くのプレイヤーが「訴えられたからって、そんなにすぐ終わるの?」と疑問を抱いたことでしょう。
さらに驚くべきことに、公式発表では「競合他社からの苦情により、ストアから削除される危険性があるため、予防的にサービスを一時停止する」という記述があり、その直後にサービス終了の発表があったのです。まるで、最初からサービス終了が決まっていたかのように見えます。
この競合他社は、任天堂の可能性も指摘されていますが、未だ謎のままです。しかし、ポケモンとの類似性から、任天堂が関与している可能性は十分に考えられます。「未来ぼうこう」は、Unreal Engine 5で作られたパルワ風のゲームであり、ポケモンやパルワでも無い、独自のミラーという存在が特徴でした。
「未来ぼうこう」のサービス終了における注目すべきポイント:
- 異常なスピード感: 訴えられたことがサービス終了の直接的な理由として挙げられていますが、そのスピード感は異例です。まるで事前に計画されていたかのようです。
- 競合他社の正体: 任天堂の可能性が高く、その影響力が伺えます。
- パルワ風ゲームの脆弱性: 類似ゲームの開発・配信が、巨大企業からの圧力を受けやすいことを示しています。
ゲーム自体が、基本無料の無料サーバーと、月5ドルの課金サーバー、そしてギルド専用サーバーの3つのサーバー構成でした。課金要素としては、ガチャはありませんでしたが、経験値増加やアイテム購入といった要素がありました。無料サーバーは混雑していてプレイしづらく、課金サーバーでプレイするユーザーが多かったようです。
この出来事から、パルワ風ゲームは、大企業からのコピー訴訟のリスクが高いことが明確になりました。また、サービス開始から終了までが非常に短期間だったことも、今後のゲーム開発において大きな教訓となるでしょう。
スクエニ「ファンタジアン」の高価格戦略と今後の展望
2つ目は、スクウェア・エニックスが発売した「ファンタジアン ネオ・ディメンション」です。12月5日に発売された本作は、スクウェア・エニックスが開発に関わっており、FFシリーズの中心人物である坂口氏や上松氏などが関わっていることで話題になりました。
しかし、このゲームの価格が6500円という点に注目が集まりました。これは、多くのプレイヤーから批判を集めた要因です。なぜなら、このゲームは元々2021年にApple Arcade向けに配信されたゲームであり、スマートフォン向けの作品だったからです。Apple Arcadeは、月額900円のサブスクリプションサービスで、このゲームもその一環として提供されていました。
「ファンタジアン」の高価格戦略に関する考察:
- Apple Arcadeからの移植: 元々サブスクリプションサービスのゲームだったものを、6500円という高価格で販売した理由が不明です。
- 販売数の少なさ: 初週販売本数が9000本程度と報じられ、その低さが話題を呼びました。
- 高価格の根拠: 追加されたキャラクターボイスは、開発コストに見合うほどの価値があると言えるのか疑問です。
多くのプレイヤーは、この価格設定に疑問を感じているようです。スクエニは、坂口氏ファンをターゲットに、狭い層に対して高価格で販売する戦略を取ったと考えられます。しかし、Apple Arcadeで遊べたゲームを、高価格で販売することに、疑問の声が多数上がっています。
高価格設定の理由について、私自身の考察はこうです。
- 開発コストへの配慮: キャラクターボイス追加などのコスト増加による価格設定ではありますが、元々はApple Arcadeでの提供だったことを考えると、価格設定に疑問が残ります。
- 狭いターゲット層: 坂口氏のファンをターゲットに限定した販売戦略です。
- リスクヘッジ: 低価格で販売すると、大きな損失を被る可能性があるため、高価格で限定的な販売をしたのかもしれません。
このゲームのクオリティ自体には問題は無く、レビューの平均点は高く評価されています。しかし、価格設定の高さが、より広い層への普及を阻害している可能性があります。 980円程度の価格であれば、より多くの人にプレイされ、隠れた名作となる可能性もあったのではないでしょうか。
より良い戦略として、以下のような案が考えられます。
- 低価格設定: 980円程度の価格で販売すれば、より多くのユーザーを獲得でき、口コミによる拡散効果も期待できます。
- 積極的なプロモーション: 低価格設定と合わせて、大規模なプロモーションを実施すれば、より多くのユーザーにゲームの魅力を伝えることができます。
現在、多くの企業はエンターテイメントで生計を立てているわけで、エンターテイメント業界が「面白くない」ことへの危機感を持つべきでしょう。 面白い作品を生み出さなければ、人々はゲームを遊んでくれません。
まとめと今後の展望
パルワ風ゲームに関しては、任天堂の動向が気になるところです。 「未来ぼうこう」のサービス終了は、類似ゲームの開発・配信におけるリスクの高さを改めて示唆しました。ファンタジアンに関しては、高価格設定が販売数を制限している可能性があり、価格戦略の見直しが求められるでしょう。
どちらも、ゲーム業界における様々な問題点を浮き彫りにする事例と言えるでしょう。
今回お話しした内容は、あくまで私の個人的な意見と考察です。皆さんのご意見もお聞きしたいので、コメント欄に感想を書いていただけると嬉しいです。
私はまだ体調が万全ではありませんが、少しずつ体調を戻しながら、今年も動画投稿を続けていきたいと思います。最後までご覧いただき、ありがとうございました。