Faker:LoL界の伝説、その栄光と挫折の物語

Faker:LoL界の伝説、その栄光と挫折の物語

Faker:LoL界の伝説、その栄光と挫折の物語

1996年5月7日、韓国ソウルで生まれたFaker(페이커、本名:李相赫)。シングルファザーである父親に育てられ、彼はプロゲーマーとして運命づけられた存在でした。幼少期はMOBAゲーム「Chaos」をプレイしていましたが、2011年12月、ウェブを閲覧中にLeague of Legends(LoL)に出会い、運命は大きく動き出します。

LoLとの出会い、そしてプロへの道

瞬く間にFakerの才能は開花し、複数の韓国チームから熱烈なオファーを受けました。しかし、当時高校入学したばかりだった彼にとって、プロになるという決断は容易ではありませんでした。それでも、彼は高校を中退し、SK Telecom T1のセカンダリーチームに加入します。これは、彼の並外れた才能を軸に結成されたチームでした。

驚異的なデビューと世界制覇

チームはすぐにトップレベルの成績を収め、2013年のOGN Olympus Champions Springではグループステージを制覇。プレイオフでは3位に終わりましたが、Fakerの名は瞬く間にLoL界に広まりました。「Ambition」とのソロキルや「MVP Blue」との試合でのLeblancを用いた圧倒的なプレイは、多くの注目を集めました。

しかし、真に世界を驚愕させたのは2013年サマーファイナルでした。SK Telecom T1 Kは、その卓越したチームワークとFakerの驚異的なプレイで勝利。世界選手権への切符を掴み、Fakerは国際舞台で実力を証明する機会を得たのです。

2013世界選手権:伝説の始まり

SK Telecom T1 Kは世界選手権で圧倒的な強さを見せつけ、グランドファイナルではRoyal Clubを3-0で破り、世界王者に輝きました。Fakerは、世界最高のプレイヤーとしての地位を確固たるものとしたのです。その圧倒的なパフォーマンスは、Fakerという名を伝説へと押し上げました。

栄光と挫折の狭間で

世界の頂点に立ったFakerとそのチームでしたが、2014年春と夏のシーズンでは、結果を残すことができず、挫折を味わいます。

2014年の苦闘とチーム再編

2014年の春夏シーズンはSKTにとって大きな試練となりました。2014年世界選手権出場を逃した彼らは、チームの再編を余儀なくされます。「Impact」と「Piglet」がチームを離れ、OGNリーグにおける姉妹チームの廃止に伴い、SK Telecom T1の2つのチームが統合されました。

この再編でFakerは初めて、自身のポジションを脅かす存在、「Easyhoon」と競争することになります。2人はシーズンを通して役割を分担し、チームは新しいバランスを探りました。

MSI 2015:初めてのLeblanc敗北

チームは変化にもかかわらず、11勝3敗という好成績を収めMSI(Mid-Season Invitational)への出場権を獲得しました。グループステージを突破したものの、決勝でEDG(Edward Gaming)と対戦。EDGはEasyhoonを対策した上で、Fakerがこれまで一度も負けたことのないLeblancをピックアップ。

EDGはMorganaでLeblancをカウンターし、Fakerは苦戦を強いられます。結局、EDGが勝利し、FakerはLeblancで初めて敗北を喫することになります。この敗北は、Fakerに大きな衝撃を与えたと言えるでしょう。

2015年 MSI:悔しさからの反骨

MSIでの敗北を受け、SKTは再び立ち上がります。Fakerは再び彼の支配的な実力を示し、チームは世界選手権への道を再び切り開いていくのでした。

2度の世界制覇と国際グランドスラム

2015年世界選手権、SKTは再び世界王者に輝き、Fakerは2度目の世界チャンピオンの栄冠を手にしました。これはFaker個人にとっても、SKTにとっても、大きな勝利であり、その後のMSI、IEM Katowiceでの勝利と合わせ、国際グランドスラムを達成しました。

2016年世界選手権:三度目の世界制覇

2016年、FakerとSKTは再び世界選手権の頂点を目指します。決勝ではSAMSUNG Galaxyと激戦を繰り広げ、最終的に3勝1敗で勝利。Fakerは3度目の世界チャンピオンに輝き、彼自身、そしてSKT T1にとって歴史的な偉業となりました。これにより、Fakerと彼のチームメイトであるBangyiはLoL史上、世界選手権3回優勝という偉業を達成した唯一の2人のプレイヤーとなります。

伝説は続く

FakerとSKT T1は、常に挑戦者たちから狙われる存在であり続けました。しかし、最強のチームを倒すために結成されるスーパーチーム、数々のロースター変更を乗り越え、Fakerは現在もトップレベルで活躍を続けています。彼の輝かしいキャリアは、これからも多くのプレイヤーたちにインスピレーションを与え続けることでしょう。

Fakerは、単なるゲームの達人ではありません。彼の努力、才能、そして不屈の精神は、多くの人の心に響き、LoL界の伝説として永遠に語り継がれることでしょう。

Fakerの主な功績:

  • 3度のLeague of Legends世界選手権優勝
  • 複数回のOGN/LCK優勝
  • MSI優勝(複数回)
  • IEM Katowice優勝

Fakerのプレイスタイル:

  • 卓越したメカニクス: 正確で素早い操作技術は、彼の代名詞と言えるでしょう。
  • 冷静なゲームセンス: 不利な状況でも冷静に判断し、勝利への道筋を見出す能力は、類まれなものです。
  • プレッシャーへの強さ: 世界中の注目を集める国際試合でも、プレッシャーに屈することなく、最高のプレイを見せます。

Fakerの伝説は、これからも語り継がれていくでしょう。