EXIDの奇跡:一本のファンカムが変えたK-POPの歴史とグループの運命

EXIDの奇跡:一本のファンカムが変えたK-POPの歴史とグループの運命

EXIDの奇跡:一本のファンカムが変えたK-POPの歴史とグループの運命

韓国のガールズグループEXID。彼女たちの成功物語は、K-POPの歴史に燦然と輝く、ある一本のファンカムから始まりました。華々しい成功の裏には、挫折と再起を繰り返した波乱万丈な道のりがあったのです。この記事では、EXIDの歩みと、運命を大きく変えたファンカムの奇跡、そしてその後の展開について、詳しく紐解いていきます。

波乱のデビューとメンバーチェンジ

EXIDは2012年、ABエンターテインメントからデビューしました。初期メンバーは、ユジ、ハニ、ヘリョン、ジョンファ、LE、ダミの6名。元JYP練習生やアンダーグラウンドアーティストなど、多彩な経歴を持つメンバーが集結していました。

しかし、デビューシングル「Who’s That Girl」はチャート36位と振るわず、大きな成功を収めることができませんでした。デビューからわずか2ヶ月後、ユジ、ダミ、ヘリョンが脱退。個人的な理由やキャリアチェンジがその理由でした。ヘリョンはその後、別のガールズグループBESTieに加入しています。

このメンバーチェンジは、EXIDの未来を大きく揺るがす出来事でした。しかし、この危機を乗り越える転機が、新たなメンバーの加入によって訪れます。

ソルジとヘリンの加入と「Up & Down」のリリース

脱退メンバーの穴を埋めるべく、ソルジとヘリンが加入。ソルジは元ボーカルデュオ2NBのメンバーで、歌唱力に定評のある実力派。ヘリンは、実はEXIDの初期オーディションで脱落したものの、セカンドチャンスを得てグループに加入しました。

この新たな布陣でEXIDは、2012年にファーストミニアルバム「Hippity Hop」とシングル「Every Night」をリリースしますが、依然として大きなブレイクには至りません。ファンミーティングの参加者も少なく、グループの将来は暗い影に覆われていました。解散の噂も囁かれるほど、状況は厳しかったのです。

奇跡のファンカム:ハニのステージパフォーマンスが世界を虜にする

2014年8月、EXIDはシングル「Up & Down」をリリースしました。しかし、この曲はGaonチャートの上位100位にも入らないほど、不振に終わります。プロモーション活動も終了し、EXIDにとってまたしても失敗作となるかに思われました。

しかし、運命の女神はEXIDに微笑みます。10月、ハニが「Up & Down」を歌うファンカム動画が、インターネット上で爆発的な人気を博したのです。

この動画は、ハニの圧倒的なカリスマ性とステージプレゼンスを捉えていました。当時、まだそれほど一般的ではなかったファンカムにおいて、ハニの表現力は視聴者を魅了し、数百万回もの再生回数を記録しました。

このファンカムの拡散によって、「Up & Down」は突如としてチャートを駆け上がります。最終的にはGaonチャートで1位を獲得し、EXIDは再び脚光を浴びることになったのです。

ファンカムの成功要因:ハニの魅力と時代の流れ

一体なぜ、ハニのファンカムはこれほどまでに人気を博したのでしょうか?様々な要因が考えられます。

まず、ハニの自然体で溢れるカリスマ性です。多くのファンカムが振り付けに焦点を当てている中、ハニのパフォーマンスはカメラとの繋がり、ウィンクや笑顔、視線など細やかなジェスチャーによって、視聴者と深い一体感を生み出しました。自信に満ちたステージプレゼンスも、多くの人を惹きつけました。

さらに、時代背景も影響したと考えられます。高画質の個人ファンカムは当時まだ珍しく、ハニのパフォーマンスは他とは一線を画すクオリティだったのです。視聴者は、ハニの素晴らしいパフォーマンスと、より親密でパーソナルなアイドル像に魅了されたと言えます。

また、EXIDが解散寸前だったという状況も、ファンカムの成功に影響した可能性があります。ファンカムは、彼女たちの潜在能力を世界に示す「最後のチャンス」のような印象を与え、多くの共感を呼びました。

ファンカムの波紋とEXIDの復活

ファンカムの成功は、EXIDだけでなく、K-POP業界全体に大きな影響を与えました。放送局やファンは、ソロファンカムの制作・視聴を積極的に行うようになり、アイドルそれぞれの個性を際立たせる新たなコンテンツとして定着していったのです。

EXIDは、ファンカムの成功によって、再び音楽番組に出演。デビューから約3年越しで、念願の音楽番組1位を獲得しました。

ファンカム撮影者の反応とメディア報道

EXIDとプロデューサーは、ファンカム動画を投稿した男性に感謝を伝えようと、夕食に招待しました。しかし、当初の報道では、その男性が「忙しいから」と招待を断ったと伝えられ、様々な憶測を呼びました。

しかしその後、男性自身から、ジャーナリストによる不正確な報道であったと訂正が入りました。彼はプレッシャーを感じたため、丁重に招待を断ったという説明です。

ハニ自身の言葉:努力の結晶と感謝の気持ち

ハニ自身も、2017年のCosmopolitan Koreaのインタビューで、このファンカムについて語っています。彼女は動画を見た時の驚きを語り、自身の新たな一面を発見したと述べています。

彼女は自身を「EXIDの中で一番ダンスが下手」と謙遜しながらも、グループメンバーに追いつくため、並々ならぬ努力を積み重ねてきたことを明かしました。ファンカムは、その努力の結晶であり、多くの人の共感を得たのです。

さらに、2020年の「ランニングガールズ」出演時には、ファンカムがグループのキャリアを救ったと改めて語り、感謝の思いを述べています。他のアイドルもハニのファンカムを絶賛し、「ファンカムの顔」と称賛する声も上がっています。

7年目の壁とグループの未来

EXIDは、多くのK-POPグループが直面する「7年目の壁」を乗り越えましたが、その後も困難に直面することになります。2016年末、リーダーのソルジが甲状腺機能亢進症と診断され、無期限の活動休止を余儀なくされたのです。

ソルジの不在は、EXIDに大きな打撃を与えました。しかし、彼女たちは諦めずに4人で活動を続け、「Eclipse」などのアルバムをリリースし、Billboard World Albumsチャートで4位にランクインするなどの成功を収めました。

ソルジは、2017年のミニアルバム「Full Moon」には参加したものの、プロモーション活動には参加できませんでした。

グループの休止とメンバーのソロ活動

2019年には、EXIDのバナナカルチャーとの契約が終了。ハニとジョンファは契約更新をせず、他のメンバーと共にアルバム「WE」の活動に参加した後、EXIDは無期限の活動休止に入りました。メンバーはソロ活動に専念することになります。

2020年1月には、ソルジとヘリンもバナナカルチャーを離れ、LEが所属レーベルの唯一のメンバーとなりました。

EXIDの現在と未来:ファンへの感謝と揺るがない絆

EXIDは、グループとしての活動は休止していますが、メンバーたちはファンへの感謝を忘れず、個人でイベントやプロジェクトを開催するなど、積極的にファンと交流を続けています。

結論:奇跡のファンカムとEXIDの不屈の精神

一本のファンカムが、一躍世界的な人気を博したガールズグループEXID。その道のりは決して平坦ではありませんでしたが、彼女たちの努力と才能、そしてファンの揺るぎないサポートが、数々の困難を乗り越える原動力となったのです。EXIDの物語は、K-POPの多様な側面を示すだけでなく、夢を追い続けることの大切さを私たちに教えてくれます。 ハニのファンカムは、単なる動画を超え、K-POPの歴史を塗り替えた、奇跡の瞬間だったと言えるでしょう。 そして、EXIDの未来が、どんな形であれ、輝かしいものであることを願わずにはいられません。