2025年のDeFi:消費者向けサービスの台頭と新たな金融体験
- 2025-01-05
2025年のDeFi:消費者向けサービスの台頭と新たな金融体験
こんにちは!Crypto Times代表の荒井です。皆さんは「DeFi」と聞いてどのようなイメージを持ちますか? DeFiと聞くと、なんとなく専門家で玄人向け、そして複雑な技術というイメージをお持ちかもしれません。しかし、2025年になると、DeFiは今とはかなり異なる姿になっている可能性があると考えています。
DeFiのイメージ変革:専門家から一般消費者へ
これまでのDeFiは、一部の熟練者だけが使う、実験的な技術というイメージだったのではないでしょうか。しかし、今後DeFiは、一般の人が当たり前に使う、親しみやすい金融インフラへと進化していくと考えられています。今回の動画では、海外のベンチャーキャピタル「DeFi Digital」の2025年暗号通貨予測を元に、DeFiの未来について解説していきます。特にDeFi関連のトピックが非常に興味深かったので、詳しく見ていきましょう。
DeFiの課題:複雑性と使いにくさ
冒頭でも述べた通り、DeFiは非常に複雑で難しいというイメージが広く浸透しています。DEX(分散型取引所)やレンディングなど、様々な種類のDeFiサービスが存在しますが、基本的には自分の暗号通貨を貸し出して金利を得るという仕組みです。しかし、このプロセスは一般の人にとって非常に複雑で、使いにくいという課題がありました。
過去の動画でもDeFiに関する動画を出した際には、多くの質問が寄せられました。一般ユーザーにとって使いやすいサービスを提供することは、容易ではありません。そこで、今回のテーマは「DeFiが私たちの日常生活にどのように浸透していくのか」です。 DeFi Digitalは、この点について重要な示唆を与えてくれています。
シームレスなDeFi体験:財布から決済まで
DeFi Digitalは、2025年には暗号通貨と銀行口座がシームレスに繋がるようになると予測しています。具体的には、財布やカード、そして決済に使える、いわば銀行に代わるシームレスな決済システムが台頭すると述べています。
これは、消費者向けのDeFiサービスが登場することを意味します。これまで、デジタル通貨(USDTやイーサリアムなど)で給与を受け取ることはあっても、それを日常生活で使うことは複雑でした。 例えば、国内でプロジェクトの報酬としてUSDTを受け取ったとします。しかし、国内取引所でUSDTを直接扱える通貨は限られているため、まずUSDTをイーサリアムなどに交換し、国内取引所に送金。そして、日本円に交換して銀行口座に振り込む必要があります。 これは非常に面倒な手順です。 私が日常的に行っている作業ですが、一般の人からすると、これは非常に面倒だと感じるはずです。
DeFi Digitalが描く2025年のDeFiの姿:現実世界への浸透
ここで、DeFi Digitalが言及しているのは、2025年には暗号通貨(デジタル通貨)と銀行口座がシームレスに繋がるということです。つまり、DeFiとデビットカードのようなサービスが登場するという予測です。
グノシスペイ:DeFiデビットカードの先駆け
例えば、「グノシス」というプロジェクトがあります。グノシスは、グノシスペイというデビットカードをリリースしました。これは、グノシスが提供するマルチシグウォレットなどにも対応するカードです。ウォレットに届いた資金をそのままグノシスペイで決済できるため、煩雑な手続きを省略できます。 このカードがあれば、店頭での取引はもちろん、ATMでの出金も可能です。
さらに進化したDeFi体験:レンディングとキャッシュバック
アーベやコンパウンドなどのレンディングプラットフォームも注目されています。グノシスで管理している通貨をアーベなどに預け入れると、利息を得ることができます。 こうした利便性向上により、ユーザーはよりスムーズにDeFiを利用できるようになるでしょう。 また、デビットカードやプリペイドカードの一部利用額をキャッシュバックするようなサービスも既に登場しており、これは今後ますます広がっていくと考えられます。
開発途上の国々への影響:金融包摂の拡大
スマートフォンは普及していても、銀行口座を持たない国も数多く存在します。そのような国の人々にとっても、プリペイドカードやデビットカードを使うことで、スマートフォンとDeFiへのアクセスが可能となります。レンディングによる利息を得ながら、クレジットカードのように日常生活のインフラにDeFiが溶け込んでいくでしょう。
安定通貨の進化:ステーブルコイン2.0
DeFi Digitalは、安定通貨の新しい形とDEXの変革についても言及しています。 クレジットカードの話も出てきましたが、イーサリアムなどの暗号通貨を保有すると、価格変動リスクがあります。価格が上がれば嬉しいですが、下がってしまうと損失が生じてしまいます。
そのため、多くのユーザーはイーサリアムをステーブルコインに交換して生活費に充てたり、DeFi運用に回したりしています。 DeFiが日常生活で利用されるためには、ステーブルコインの存在が不可欠なのです。
DEXの進化:インパーマネントロス対策と革新的な設計
DeFi Digitalは、DEXの更なる進化の必要性も指摘しています。従来のDEXでは、インパーマネントロスと呼ばれる流動性提供による損失が発生していました。 これに対する対策として、LBR(Loss-Balanced Rebalancing)と呼ばれる手法が用いられており、損失を抑制する仕組みがDEXの中に組み込まれてきています。
2025年には、ソレラやUniswap V4など、革新的な設計のDEXが登場しています。これらは、インパーマネントロスを減少させる効果が期待され、「フック」と呼ばれるモデルによって構築されています。これにより、AMM(Automated Market Maker)と呼ばれるDEXの仕組みが金融アプリの土台となっていくと考えられます。
DeFiのオールインワン化:複数の機能を統合したDEX
一つのDEXで、オプション取引、レンディング、NFTトレードなど、複数の機能が利用できるようになる可能性があります。 ステーブルコイン2.0(利子付きステーブルコイン)の登場や、DEX2.0の進化により、ユーザーはインパーマネントロスを避けつつ、利息を得ながらDeFiを利用できるようになります。 安全かつ収益を得ながら消費できる、まさに理想的なDeFi体験が現実のものとなるでしょう。
GK-TLSとファットウォレット:データの信頼性とユーザー体験の向上
DeFi Digitalは、GK-TLSとファットウォレットという技術にも注目しています。GK-TLS(Generalized Key-TLS)は、外部データをオンチェーン化する仕組みです。銀行口座の残高やクレジットスコアなどの情報を、秘密を維持したままオンチェーン化できます。これにより、様々な活用方法が期待されており、注目が集まっています。 例えば、チケット販売の高効率化、保険料の算定、UberなどのサービスをWeb3に直接持ち込むことなどが可能になるでしょう。
GK-TLSによるデータの透明性と信頼性
私たちが生きている世界では、データがあっても、そのデータの信頼性を確認する必要があります。GK-TLS技術を使うことで、オンチェーンにデータを移すことで、データの証明と信頼性を実現します。外部からの情報をオンチェーンで取得し活用することで、DeFiの可能性は飛躍的に広がるでしょう。
ファットウォレット:使い勝手の向上と利便性
ファットウォレットは、ユーザー体験の向上に焦点を当てています。現状のウォレットは使い勝手が悪いという課題があります。しかし、メタマスクのスワップ機能や、ラビウォレットのスワップ機能、インフィニットと呼ばれるような使い勝手の良いアプリが登場することで、将来、高額な手数料でも利便性の高いサービスが利用される傾向があるでしょう。
2025年以降のDeFi:マスへの普及と更なる可能性
コインチェックなどの例からもわかるように、使い勝手の良いUIで取引が容易に行えるサービスはユーザーに好まれます。手数料が高いことには気付かないユーザーも多いでしょう。しかし、将来はウォレットの利便性と使いやすさが重視され、より多くのユーザーがDeFiを利用するようになると考えられます。
様々なチェーン(イーサリアム、BSC、ソラナなど)を意識することなく、簡単にDeFiを利用できる世界が来るでしょう。ウォレットは、デジタル時代の金融スーパーアプリとなり、資金預け入れ、スワップ、デビットカード利用など、様々な機能が統合されます。 ユーザーは手間なく、最適な金融アプリを選択できるようになります。
GK-TLSとファットウォレットは、2025年に更なる発展が期待されています。
今回の動画では、DeFi Digitalによる2025年のDeFi展望を紹介しました。 私は、2024年からその兆候は少しずつ見られており、2025年にはDeFiがより一般的になり、誰もがDeFiアプリを使うインフラが整っていくと考えています。もちろん、DeFiには未だ複雑な部分も多く残りますが、使いやすいアプリが登場すれば、より多くのユーザーに普及していくでしょう。
少数派のクリプトマニア向けから、マスへと広がっていくことを願っています。 もちろん、2025年ではなくてもっと時間がかかる可能性もありますが、2024年からその兆候が見えているので、DeFiが多くのユーザーに広まっていくことを期待しています。 そして、ウォレットを使っておけばエアドロップがもらえるという嬉しい副次的な効果も期待できます。 多くのユーザーがオンボーディングするためには、今回紹介したような内容が広く普及していく必要があるでしょう。
最後に、あなたの考える2025年、そして今後のDeFiの展望をぜひ教えてください!チャンネル登録、高評価もよろしくお願いします。最後までご視聴ありがとうございました!