「死は存在しない」:量子力学から見た死後の世界と天坊廣志の驚愕の仮説
- 2024-12-31
「死は存在しない」:量子力学から見た死後の世界と天坊廣志の驚愕の仮説
多くの人が抱く「死後の世界」という概念。宗教では天国や地獄、輪廻転生などが語られますが、科学的にはどのように説明できるのでしょうか?本書「死は存在しない 最新の量子力学が解き明かす死後の世界」を著した、日本の著名な量子力学・工学博士、天坊廣志氏の驚愕の仮説をご紹介します。
本書は、アストラル記録(アストラル・クロニクル)という動画で説明しきれなかった疑問点を、科学的観点から解き明かそうとしたものです。アストラル記録とは何なのか、その存在形態、全宇宙の情報が記録される理由など、神学ではなく、量子力学という科学的アプローチで挑んでいます。
天坊廣志氏:量子力学と死後の世界へのアプローチ
天坊廣志氏は、72歳を迎えるベテランの量子力学・工学博士であり、原子力物理学、医学、そして工学を学ぶ経歴の持ち主です。東京大学で原子力物理学を学び、大学院では医学に転向し、その後再び東京大学に戻り量子力学で博士号を取得。彼の経歴は、欧米の科学者と比べても遜色ありません(オーペンハイマーのような)。
1981年には東京大学で工学博士号を取得し、日本の三井金属鉱山株式会社で研究員として活躍。6年後には、かの有名なマンハッタン計画で原子爆弾の核原料を製造した施設、太平洋岸北西部国立研究所の研究員としてアメリカに渡り、その後日本総合研究所に入社、研究員から取締役まで上り詰めた人物です。さらに2011年には60歳で内閣府大臣官房長官顧問を務めるなど、日本のトップレベルの頭脳として名を馳せてきました。
そんな天坊氏は、若い頃からの量子力学研究に打ち込んでいたものの、大病を患い、一時は死の淵をさまよった経験があります。その経験から、彼の世界観は大きく変わり、2022年に「死は存在しない」という著作を執筆しました。
死後の世界:科学と神学の対立と「臨死体験」という第3の視点
本書では、死後の世界の解釈について、大きく3つの立場を提示しています。
- 科学的立場: 死後の世界は存在しない。
- 神学的立場: 死後の世界(天国、地獄、輪廻転生など)は存在する。
- 臨死体験派: 臨死体験を科学的に解釈する。
科学的立場からの考察
科学的立場では、死後の世界は存在しないと主張します。脳と心臓の機能停止によって意識が消滅し、全てが終わるというのが、現在の医学的見解でもあります。死後の世界が存在するならば、死の判定が難しくなるため、科学的には存在しないと考えるのが自然です。
神学的立場からの考察
神学的立場は、死後、魂は天国や地獄へ、もしくは輪廻転生するといった、宗教的な死後の世界観を支持します。古代エジプト文明の「死者の書」なども、この立場を支える根拠の一つとして挙げられます。私たちが、先祖供養や墓参りする行為は、死後の世界を無意識的に信じている証拠と言えるでしょう。
臨死体験(NDE)という新たな視点
近年、臨死体験(NDE:Near Death Experience)に関する研究が進んでいます。多くの臨死体験者は、魂が体から離れ、光や花畑、亡くなった親族などを見るという報告をしています。これは、神学的見解を支持する証拠のように思われますが、臨死体験は必ずしも全ての人に起こるわけではなく、宗教的な影響による幻覚の可能性も指摘されています。
しかしながら、臨死体験をした脳外科医が、全く知らない人物(後に自分の妹だと判明)を目撃した事例など、幻覚だけでは説明できないケースも存在します。
天坊廣志氏の量子力学的仮説:ゼロ点場と宇宙情報
天坊氏は、科学的立場から死後の世界を否定しつつも、量子力学の視点から新たな仮説を提案しています。それは**「ゼロ点場」**という概念です。
ゼロ点場とは、量子力学における概念で、絶対零度においても存在する真空エネルギーのことです。古典物理学では真空は何もない状態とされていましたが、量子力学では真空の中にエネルギーが満ちていることが明らかになっています。
ゼロ点エネルギーの驚愕の規模
アメリカで有名な物理学者、ユージン・ウィグナーは、1立方ミリメートルの空間の中に存在するゼロ点エネルギーは、観測可能な宇宙全体のエネルギーよりも大きいと計算しています。また、リチャード・ファインマンもマンハッタン計画に参加した物理学者として知られていますが、彼の計算によると、電球程度の大きさの空間の中に存在するゼロ点エネルギーは、地球上の全てのエネルギーを供給できるほど大きいとされています。
ゼロ点エネルギーの利用可能性
ゼロ点エネルギーの利用は、現在活発に研究されている分野ですが、そのエネルギー源が、正負のエネルギーの消滅の結果であるという仮説が有力視されています。正負のエネルギーが互いに打ち消し合ってゼロになっているため、我々は何も感じませんが、実際には巨大なエネルギーが潜んでいるというわけです。このゼロ点エネルギーを制御・利用できれば、人類はエネルギー問題を完全に解決できるだけでなく、宇宙創造にも匹敵するほどの力を得ることでしょう。
ゼロ点場とアストラル記録、そして死後の世界
天坊氏は、このゼロ点場が、宇宙誕生以来の全ての情報を保存する「ゼロ点場」だと仮説を立てています。そして、このゼロ点場は、アストラル記録と同じものだと主張しています。
アストラル記録は、宗教的な概念でしたが、天坊氏はこれを、量子力学的な概念であるゼロ点場として説明しようと試みています。このゼロ点場には、過去、現在、未来の全ての情報が、三次元ホログラムとして保存されていると主張します。
死後の意識と右脳、そして臨死体験の解釈
天坊氏は、人の死後、肉体は消滅するものの、精神・意識は消滅せず、ゼロ点場に保存されると主張します。この意識は、波動という形での保存であると考えられています。
臨死体験について、天坊氏は、肉体的に死んだ状態(生命反応がない状態)で、意識がゼロ点場と繋がることで、過去や未来、あるいは他人の意識にアクセスできると考えています。
臨死体験とゼロ点場へのアクセス
臨死体験は、右脳がゼロ点場と繋がることで発生すると仮説を立てています。子供は、右脳で三次元的な情報を処理する能力が高いので、ゼロ点場からの情報を容易に取得できる可能性があります。そのため、幼少期の頃の記憶として、前世の記憶とされるものを持つ場合があります。
地獄は存在しない?
天坊氏は、地獄は存在しないと主張しています。宗教における地獄の描写は、肉体的な苦痛が中心ですが、死後は肉体がなくなるため、肉体的な苦痛は存在しません。地獄は、生前、もしくは死の直前に感じる肉体的な苦痛を指しているのではないかと推測しています。
天国と地獄は社会統制のための概念?
天坊氏は、天国と地獄は、社会統制のための人工的な概念であると述べています。天国は善行を促し、地獄は悪行を抑制する道具として機能してきたのです。
未来と可能性:ゼロ点場と心理法則
ゼロ点場には、未来の情報も保存されていると天坊氏は主張しています。しかし、それは決定的な未来ではなく、全ての可能性を含んだ未来です。私たちが未来を見る、つまり未来を予知する能力とは、ゼロ点場にアクセスし、可能性の中から、心理法則によって特定の未来を選択することです。
夢と心理法則
夢、瞑想、催眠状態など、人は意識が低下している状態で、ゼロ点場との接続が容易になります。この状態での思考は、心理法則によって、特定の未来を現実化していく過程となります。
運とアストラル記録との繋がり
運が良い、というのは、アストラル記録への接続能力が高く、心理法則を巧みに操っている状態のことです。
天才は存在しない?
天坊氏は、天才と呼ばれる人々も、ゼロ点場やアストラル記録にアクセスする能力が高いだけであり、生まれつきの才能ではないと主張しています。
右脳とアストラル記録
右脳は三次元的な情報処理に優れており、アストラル記録やゼロ点場へのアクセス能力が高いと推測されています。
まとめ:死後の世界への量子力学的アプローチ
天坊廣志氏の「死は存在しない」は、従来の宗教的な死後の世界観とは異なる、斬新な量子力学的なアプローチによる解説を試みた一冊です。彼の主張が全て正しいとは断言できませんが、量子力学という科学的根拠に基づいた仮説は、私たちの死後の世界に対する認識を大きく変える可能性を秘めていると言えるでしょう。
この仮説は、今後の研究によって検証されていく必要がありますが、ゼロ点場や臨死体験に関する新たな知見は、私たちの生死観、ひいては人生観に大きな影響を与え続けるでしょう。