仮想通貨投資家の年末節税対策!損益圧縮で最大限の節税効果を得る方法

仮想通貨投資家の年末節税対策!損益圧縮で最大限の節税効果を得る方法

仮想通貨投資家の年末節税対策!損益圧縮で最大限の節税効果を得る方法

仮想通貨投資で得た利益は、しっかりと節税対策をしておきたいものですよね。この記事では、仮想通貨投資をしている人が年末にできる節税対策、特に損益圧縮の方法について、具体的な事例を交えながら分かりやすく解説します。 CryptoTaxなどの計算ソフトを活用した実践的な方法も紹介するので、ぜひ最後までお読みください!

はじめに:仮想通貨の損益計算と節税の関係

まず、仮想通貨投資における損益計算の仕組みと、それが節税にどう繋がるのかを確認しましょう。

皆さんは、今年の投資行動によって生まれた利益から発生した損失や手数料などの経費を差し引いて算出される「実現損益」という数値をご存知でしょうか? 前回の記事では、この実現損益を算出する方法を解説しましたが、実現損益を計算しただけでは、節税対策は不十分です。

年末に損益計算をすることで、初めて節税が可能になります。その次のステップこそが、今回のテーマである「損益の圧縮」です。損益圧縮によって、合法的に可能な範囲で最大限の節税効果を得ることができ、翌年2月・3月の確定申告に万全の体制で臨むことができるのです。

第1章:損益圧縮の目的と対象者

損益圧縮の目的は、簡単に言うと税金を減らすことです。 では、具体的にどのような人が損益圧縮による節税ができるのでしょうか?大きく分けて2つのパターンがあります。

パターン1:損失が大きく、含み益銘柄を持っている場合

例として、以下のバーグラフをイメージしてみましょう。

  • 確定損失 (黒): 60万円
  • 確定利益 (オレンジ): 40万円

この場合、実現損益は -20万円となります。しかし、ここで注目したいのは、今年購入した銘柄の中に、含み益のある銘柄が存在する場合です。

例えば、含み益30万円分の銘柄を、年末までにテザーや日本円に売却したとします。すると、

  • 40万円 (確定利益) + 30万円 (含み益売却) = 70万円

実現損益は +50万円 に変わります。

ポイント: これは、一度売却してすぐに買い戻すだけで良いケースです。かかった費用は手数料程度でしょう。売買するだけで節税に繋がるのです。

意味合いとしては、翌年分の節税、将来見込まれる利益を減らしたようなものですが、30万円の申告額が減れば、少なくともその15%、4万5000円の節税効果が期待できます。

しかし、注意が必要です。闇雲に売却すれば良いわけではありません。節税効果があるのは、実現利益20万円の範囲内です。それ以上になると、今年に税金が発生し、確定申告が必要になります。

補足: これは、他の副業をしていないという前提です。副業収入がある場合は、仮想通貨利益と合算されるので注意が必要です。

パターン2:利益が大きく、含み損銘柄を持っている場合

今度は逆に、利益が損失よりも大きかった場合を考えてみましょう。

画面では、70万円 - 30万円 = 40万円 の実現利益が出ています。 しかし、保有銘柄の中に 含み損のある銘柄 があったとします。

例えば、20万円分の含み損銘柄を一度損切りすると、どうなるでしょうか?

  • 確定損失 (黒):50万円
  • 確定利益 (オレンジ):70万円

合計すると、実現損益は +20万円 となります。

ポイント: 売却したくなくても、一度損切りして買い戻せば問題ありません。たったこれだけの処理で、課税される所得額が20万円減り、その節税効果は少なくとも15%の3万円分にもなります。

これは、今年発生する税金を、含み損を処理することで減らしたという意味になります。さらに、実現損益を20万円以下に圧縮できれば、確定申告も不要になる可能性があります。(※所得税に限る。住民税についてはこの限りではありません)

節税が可能な2つのパターンを整理

上記の2つのパターンを整理すると、以下のようになります。

  1. 確定した損失があっても、含み益銘柄を持っている人
  2. 確定した利益があって、含み損銘柄を持っている人

この2つのパターンに該当すれば、節税が可能となります。

第2章:CryptoTaxを使った具体的な損益圧縮手順

銘柄ごとに含み損や含み益がいくらあるのか確認するには、自分で計算する必要がありますが、CryptoTaxなどの損益計算ツールを使うと自動的に数値を算出してくれるので便利です。

ここでは、実際にCryptoTax(もしくは同様の機能を持つツール)を用いて、含み益・含み損から損益を圧縮する手順を、デモ画面を用いて解説します。

含み損益の確認方法

  1. ログインします。
  2. ポートフォリオ画面から通貨一覧を選びます。
  3. 「含み損益」という文字の部分を2度クリックします。

すると、含み損銘柄が大きい順にズラッと並びます。

具体的な操作手順(含み損銘柄の売却と買い戻し)

例として、8万円の含み損を出している「レガシー」という銘柄を例に解説します。 レガシー3万枚を3.2円程度で購入し、現在は0.6円になっているとします。 これにより、8万円の含み損が発生していることが分かります。

CryptoTaxでは、売買をシミュレーションできます。

  1. 取引履歴一覧画面の右上部分「取引履歴追加」をクリックします。
  2. 4つのアイコンが出てきます。一番下の「個別取引を追加」を押すと次の画面になります。
  3. 画面の赤の部分のように入力していきます。(今回は「売」を選択)
  4. 取引所は「テスト」と入力します。
  5. 先ほど保有していた3万枚を売却します。
  6. 銘柄名を入力、現在のレガシーの価格を入力します。
  7. 手数料は今回は省略します。
  8. 「保存」を押します。

約92万円あった実現利益が84万円に減少します。損益圧縮に成功したわけです。 その後、買い戻せば完了です。 シミュレーションでは買い戻しの作業を同様に別の入力画面で行います。

シミュレーションの結果と注意点:総平均法

買い戻し後、なぜか利益が88万円になっており、約4万円戻ってしまっているのが分かります。これは、仮想通貨特有の総平均法という仕組みが原因です。 これは、株式投資などでは起こりえない現象です。

総平均法の仕組みを理解することで、別の節税方法も分かってきます。ゆっくり解説していくので安心してください。 この総平均法によって平均化されたのは購入単価です。 企業で言う仕入単価と同じです。

先ほどのレガシー3万枚は、約10万円で購入していました。今回、1枚あたり3.33円の平均購入単価となります。しかし、買い戻したことで、この単価が変わってしまいました。緑の点線部分を足して計算してみてください。 購入単価は12万円÷6万枚=2円になります。売却時の原価も2円になります。 売った金額は2万円でしたが、原価は6万円なので、損失は4万円となります。

改めて内容を整理すると、こうなります。

一度売却したことで、実現利益の8万円の圧縮に成功したにもかかわらず、さらに追加で買い戻したことで仕入単価が変わってしまい、利益が4万円に再計算されてしまいました。つまり、圧縮しようとした利益が思うように圧縮できなくなったわけです。

一般的な企業では、単価は仕入れる時に決まりますが、個人で仮想通貨を購入すると、総平均法が自動で適用され、年末の取引まで単価が確定しません。年末の購入次第で1年分の原価がすべて変わってしまうのです。

だから、翌年に買い戻せば良いのです。1月1日0時を跨げば問題ありません。翌年に購入したことになれば、平均購入単価は変わりません。損失も8万円のまま変わりません。

第3章:総平均法を利用した利益圧縮方法

損益圧縮方法の一つ目は、含み損のある銘柄を年内に売り、翌年に買い戻す方法です。では、もう一つの利益圧縮方法を解説します。 第2章で総平均法が分かったため、これを応用するだけです。

この方法とは、実現利益があった銘柄を年内に買い、翌年に売却するというものです。 ポイントは、「買ってから売る」という流れです。

具体的な操作手順(利益銘柄の買い戻し)

例として、利益が出た銘柄を解説します。

  1. 取引履歴一覧を押し、通貨別をクリックすると、このような画面になります。
  2. 右端の数字が、実現利益の一覧になります。多い順に並んでいます。
  3. 一見確定したように見える実現利益を、総平均法によって操作していきます。

今回は、10万円で購入し、20万円で売却できた銘柄を例に取ります。平均購入単価は先ほどと同じ、1枚あたり3.33円です。

そこで、年内に再び3万枚を20万円で買い戻すとします。一見不思議な行動ですが、どうなるでしょうか? 緑の点線部分の合計平均購入単価を計算すると、30万円÷6万枚で、1枚あたり5円になります。

仕入額は5円×3万枚=15万円

売却額は20万円。

利益は5万円に減少します。

つまり、高単価の銘柄を一度買うことで、平均単価を上げて利益を下げるというカラクリです。

もちろん、買って終わりではなく、年を跨いだらすぐに売却します。

まとめ:仮想通貨投資の年末節税対策フローチャート

ここまで説明した2つの利益圧縮方法を、フローチャートで整理します。

時期行動
年内 (12/31まで)1. 含み損銘柄を売却し、資金を作る
2. ベチェーンを購入
年始 (1/1以降)1. ベチェーンを売却
2. 含み損銘柄を買い戻す

ベチェーンを購入する資金は、含み損銘柄の売却で賄います。新たに47万円近くのUSDTや日本円を用意する必要はありません。売買させるだけで節税効果を得られる方法です。

私の場合は、シミュレーションすると、92万円の利益が40万円に圧縮されました。50万円以上の利益圧縮ができました。

節税効果は50万円の15%として、最低でも7万5000円です。 CryptoTaxなどのツールを使用すれば、シミュレーションできるので、確実に行うためにも、実行前にシミュレーションすることをお勧めします。

注意点:

  • 売却・買い戻しの日時を2022年1月1日以降に設定するのを忘れないように。
  • テスト入力を削除しましょう。手順は下記のとおりです。
    1. 取引履歴一覧の該当データを選択
    2. 右上部分の「編集」ボタンをクリック
    3. 画面が変更されるので、左下にスクロールし「削除」ボタンを押す

おわりに

今回の損益圧縮は、脱税でも錬金術でもありません。税法を逆手に取った合法的な手段です。 言い換えれば、2年間の実現損益合計は変わりませんが、今年の分をどの金額にするかを調整することで節税に繋がるのです。損益計算ツールから多くの情報を取得できたからこそ、このような節税が可能になります。

このツールを使うことで、時代や正確さだけでなく、金銭的な見返りも十分に考えられる点に、損益計算ツールの真価があるのではないでしょうか。

これからも、難しい仮想通貨の税金について、分かりやすく解説していきますので、今回の動画が気に入って頂けたら、いいね、チャンネル登録、Twitterのフォローもよろしくお願いします。

最後までご視聴ありがとうございました!