チョンハのキャリア復活劇:More Visionとの出会い、そして新たな飛躍

チョンハのキャリア復活劇:More Visionとの出会い、そして新たな飛躍

チョンハのキャリア復活劇:More Visionとの出会い、そして新たな飛躍

K-POPシーンにおいて、ソロアーティストとして圧倒的な存在感を放つチョンハ。彼女の華麗なるキャリアは、順風満帆とは言い難い道のりを経て、今なお進化を続けています。MNHエンターテインメントからの独立、そしてMore Visionとの契約という転機を経て、彼女は新たなステージへと踏み出しました。この記事では、チョンハの成功と苦悩、そして未来への展望を深く掘り下げていきます。

プロジェクトグループI.O.Iからの華々しいデビューとソロ活動開始

チョンハのスターダムへの道は、2016年にMnetのサバイバル番組「PRODUCE 101」への出演から始まりました。類まれなダンススキルと圧倒的なステージプレゼンスで視聴者の心を掴み、見事4位にランクイン。プロジェクトグループI.O.Iの一員としてデビューを果たします。

I.O.Iでの活動期間は短かったものの、チョンハの存在感は際立っていました。「Whatta Man」の振り付けにも貢献するなど、単なるアイドルにとどまらない実力と才能を示しました。 I.O.I解散後の2017年6月、チョンハはMNHエンターテインメントからソロデビュー。ミニアルバム『Hands on Me』のリードシングル「Why Don’t You Know」はトロピカルハウスサウンドと滑らかな歌声、洗練された振り付けが融合した、まさに衝撃的なデビューとなりました。Gaonデジタルチャートで高い順位を獲得し、チョンハは瞬く間に業界の注目を集める存在となりました。

MNHエンターテインメント時代:成功と苦悩の狭間で

チョンハは「一発屋」に終わることを良しとしませんでした。2018年には「Roller Coaster」をリリースし、トップ10入りを果たすなど、数々の賞を受賞。K-POP界で最も有望なソロアーティストの1人としての地位を確立しました。続く2019年の「Gotta Go」は、官能的なコンセプトと印象的なフックで新たな境地を開拓。Gaonチャートで2位を獲得し、初の音楽番組での1位を獲得、Billboardからも高い評価を受けるなど、大きな成功を収めました。

しかし、華々しい成功の裏では、MNHエンターテインメントとの間で様々な問題が発生していました。2020年頃には、キャリアマネジメントにおける遅延、コミュニケーション不足、適切なサポートの欠如などが顕著になり始めます。

困難に見舞われたファーストフルアルバム『Querencia』

特に顕著だったのが、2021年2月にリリースされたファーストフルアルバム『Querencia』の制作・リリース過程です。4部構成という野心的なプロジェクトは、チョンハの芸術的な幅広さを示すものだったはずでした。しかし、新型コロナウイルス感染症への感染やMNHエンターテインメント側の説明のない遅延により、アルバムのリリースは何度も延期されました。

最終的にリリースされたものの、アルバムに見合うプロモーション活動は行われず、パフォーマンスやメディア露出は最小限に留まりました。ファンはMNHエンターテインメントのミス・マネジメントを非難し、チョンハの才能が十分に活かされていないことに強い不満を抱きました。

『Bare & Rare Pt. 1』と、決断の時

2022年の『Bare & Rare Pt. 1』も、同様の問題に直面しました。強いレビューと「Sparkling」のヒットにも関わらず、プロモーション期間は短く、アルバムの認知度は低いままでした。さらに、計画されていたPart 2は、創造的な変更ではなく、MNHエンターテインメント内部の問題によって無期限に延期されたことが、チョンハ本人のライブ放送で明らかになりました。

この時、世界ツアーの中止、ファン向けコンテンツのアップロード遅延といった問題も発覚し、MNHエンターテインメントのチョンハへの対応のずさんさが、改めて浮き彫りになりました。

MNHエンターテインメントからの独立とMore Visionへの移籍

2023年初頭、チョンハはMNHエンターテインメントとの契約更新をしないことを発表。長年の葛藤に終止符を打ちました。ファンへの手紙で、彼女は『Bare & Rare Pt. 2』がMNHエンターテインメントからリリースされないことを伝えました。しかし、ファンへの感謝を示し、長年抱えていた制約から解放され、未来に向けて前進する意思を明確にしました。

この決断は、チョンハにとって大きな転換点となりました。彼女は、音楽業界全体からの撤退も真剣に検討していた時期があったと語っています。

J.Y. Parkとの出会い、そしてMore Vision

彼女のキャリアの転機は、J.Y. Parkとの出会いをきっかけに訪れました。J.Y. Parkは、チョンハの並外れた才能を認め、More Visionというレーベルを設立し、彼女と契約を結びました。

J.Y. Parkは、自身の苦悩を理解し、アーティストのクリエイティブな自主性を尊重する環境を提供することを約束しました。単なるビジネス交渉ではなく、仲間アーティストとしての共感に基づいた、この出会いがチョンハの未来を大きく変えました。

More Visionでの新たなスタートと『I’m Inni Mini’』

2023年10月10日、チョンハはMore Visionへの移籍を発表。長年のファンは喜び、彼女の活動を再開することを期待しました。その期待は長く待たされませんでした。

2024年3月11日、チョンハはデジタルシングルアルバム『I’m Inni Mini』をリリース。Ateezのホンジュンをフィーチャリングしたタイトル曲は、彼女がどれほど成長したかを示す、エネルギッシュなカムバックとなりました。

『I’m Inni Mini』の音楽性と成功

この曲は、以前のハイエナジーなダンスポップとは一線を画し、グルーヴ重視のシンプルなサウンドで構成されています。深いベースラインとキャッチーなギターリフ、そしてホンジュンのラップが絶妙なコントラストを生み出し、チョンハの滑らかなボーカルを際立たせています。

「Inni Mini」は、チョンハが創造性を最大限に発揮した作品と言えるでしょう。批評家からは、大胆さとジャンル融合性が賞賛され、ファンは彼女の帰還を喜びました。

最新ミニアルバム『OLIVIA』:新たな表現と進化

そして、2025年2月12日、More Visionでの最初のミニアルバム『OLIVIA』がリリースされました。タイトルは「慰め」と「安堵」を意味し、このアルバムが、彼女自身の感情と芸術的な成長を映し出す、深く個人的な作品であることを示唆しています。リードシングル「Stress」は、率直な歌詞と印象的なミュージックビデオで、共感を呼びました。

Sunmiとのデュエット曲も収録され、K-POPを代表する二人の実力派ソロアーティストの融合が話題になりました。バラードからアップテンポなジャンル融合まで、チョンハの多彩な才能が遺憾なく発揮されたアルバムは、彼女が今後さらに活躍していくことを示すものとなっています。

チョンハの未来:創造性と自主性の追求

チョンハは、More Visionという新たな環境の下で、クリエイティブな自主性を確保し、音楽活動に専念することができるようになりました。困難を乗り越え、新たな表現に挑戦し続ける彼女は、今後もK-POPシーンを牽引する存在であり続けるでしょう。彼女の今後の活動から、目が離せません。