資産管理会社設立のメリット・デメリットと税制効果:ドバイ移住との関連も解説

資産管理会社設立のメリット・デメリットと税制効果:ドバイ移住との関連も解説

資産管理会社設立のメリット・デメリットと税制効果:ドバイ移住との関連も解説

皆様こんにちは!ドバイ総合研究所の加納です。今回は、タイトルにもございます通り「資産管理会社のメリット・デメリット、そしてなぜ設立するのか」というテーマで、資産管理会社について詳しく解説いたします。

多くの方が日本の重い税金に頭を悩ませているのではないでしょうか。ドバイ総合研究所では、税金に関する悩みを抱えている方が大変多くいらっしゃいます。そこで、今回の動画では、税金に悩む皆様へのアドバイスとして、資産管理会社の設立について解説させていただきます。

ドバイ総合研究所は、数多くのお客様の海外移住や長期滞在ビザ取得をサポートさせていただいております。そして、海外移住に関する有益な情報や資産運用、税制に関する情報を発信しております。動画の冒頭ではありますが、ご興味のある方はチャンネル登録をお願いいたします!

資産管理会社とは?概要説明

早速ではございますが、資産管理会社のメリット・デメリットを説明する前に、まず資産管理会社とは何か、簡単に概要からお話させていただきます。

**資産管理会社とは、現金、有価証券、不動産、基金、その他資産を所有する個人が、資産を管理するために設立する法人のことです。**通常の企業と異なる点は、基本的に資産管理以外の事業活動を行わない点です。そのため、「プライベートカンパニー」と呼ばれることもあります。

具体的なイメージとしては、個人口座に入っていた収入や資産を、資産管理会社の口座に移すことで、現金や金融資産だけでなく、不動産などの資産に関しても法人名義で取得することで、大きな節税メリットを得ることができるというスキームが、資産管理会社設立の根幹となります。

資産管理会社設立のメリット:4つのポイント

具体的に、ここから資産管理会社を設立することによるメリットを説明します。大きく分けて4つのポイントがございますので、それぞれ詳しく解説していきます。

1. 所得税と法人税のギャップによる節税効果

これは、そのままの意味ですが、最も大きな理由と言えるでしょう。まず、個人の所得税から説明します。

個人にかかる所得税は、所得が大きければ大きいほど税率が高くなる累進課税制度が適用されています。皆様ご存じの通り、現在、課税所得が4000万円を超えると、最高税率は45%に達します。さらに、住民税10%、特別所得税0.945%が加算されます。つまり、課税所得が4000万円を超える方は、税率が55.945%となり、収入の半分以上が税金として徴収されることになります。

一方、法人税の税率は、原則として23.2%です。しかし、実際には、地方法人税や法人住民税、法人事業税などが加算されるため、実効税率は約33%になります。

仮に法人税を33%とすると、所得税(4000万円以上の場合は55.945%)との差は約22.945%となり、この差分が節税効果として現れます。つまり、4000万円以上の所得がある場合、節税効果は20%以上という計算になります。

2. 損益通算などの会計ルールを活用できる

個人の場合は、会計上のルールが個人事業主の方よりも優遇されています。

個人も法人も、課税の基準である所得は「売上高から経費を差し引いて算出する」点で変わりません。しかし、個人に関しては、認められる経費の幅が非常に広くなっています。この経費の幅が広く認められている点が重要です。

個人の売上を出すときと比較すると、所得を圧縮できるため節税効果が高まります。例えば、法人では、社長への報酬や日当も認められています。これは個人事業主の場合は認められていません。

法人においては、出張時の交通費や宿泊費と共に、出張手当として日当を出すことも可能です。この日当は非課税となっています。ここで個人の税制についても触れておきましょう。

個人の場合は、総合課税と申告分離課税制度があります。まず、総合課税から説明します。総合課税は、合計した所得額に税率をかけて計算する税金徴収方法です。黒字の所得と赤字の所得を損益通算できる制度です。次に、申告分離課税です。この課税制度は、他の所得とは分離して税額を計算していく課税方法です。例えば、不動産譲渡所得や株式譲渡所得などがこれに該当しますが、他の所得とは損益通算できないため、会計上は不利になります。

個人は所得区分によって細かい箱が用意されていて、それぞれに税制を適用していくイメージです。一方、法人は全てが一つの大きな箱に収められ、一括して所得をまとめて、そこに税率をかける形になります。ある意味、この課税方法も法人の方が分かりやすいと言えるでしょう。

3. 所得の分散効果

これは一部の方に限られるかもしれませんが、例えば、配偶者などを資産管理会社の役員や従業員にすることで、報酬や給与を支払うことで経費計上できます。個人に対する節税というよりも、世帯単位で見た時に節税できるというスキームになります。

仮に、世帯主の一人が高額所得者で累進課税を適用されると、世帯全体の税負担が大きくなってしまいます。しかし、世帯の各人がそれぞれがそれなりに稼ぐという形にしておけば、世帯全体からの累進課税の圧縮という形で節税効果が生まれます。

注意すべき点として、ご家族を法人の従業員にするのは良いのですが、仮に実質的な勤務がないにもかかわらず、報酬や給与を支払っていると、税務署から指摘を受ける可能性がありますので、ご注意ください。

4. 相続対策

相続対策としても資産管理会社は大変便利で有利な仕組みです。

相続の問題は、資産が大きければ大きいほど悩まされる方が多いでしょう。相続対策として資産管理会社は有効です。

個人と比較すると分かりやすいので、まず個人から説明します。個人名義で現金や金融資産を保有し、亡くなった場合、その資産の100%が相続の評価額として算定されます。一方、法人(資産管理会社)の場合、相続人はその法人の株式を相続することになるので、株式の評価額が問題となります。

単純に同じ方が相続人だとしても、資産管理会社がない場合、資産全体が相続税の評価対象になってしまいますが、資産管理会社を持つ場合は、株式の評価が問題となります。つまり、資産管理会社の株式の評価額を下げることがポイントになります。

株式の評価額を下げる方法としては、いくつかありますが、これによって相続税を大幅に圧縮できます。

資産管理会社設立における事業承継の側面

これまで節税面だけを説明してきましたが、相続という観点では、節税だけでなく事業承継という点も重要です。資産管理会社は事業承継においても非常に有効です。

例えば、長女を不動産運用の専任者として、その他相続人には議決権のない株式を相続させるという方法が考えられます。

複雑な内容ではありますが、相続で揉めることなく事業承継をスムーズに進めることができるようになります。さらに、資産管理会社の株式の場合は、生前贈与も可能です。生前贈与は、有効な方法の一つと言えるでしょう。

資産管理会社設立のデメリット

もちろん、資産管理会社にも良いことばかりではありません。デメリットについても説明していきましょう。

1. 設立コスト

資産管理会社を設立するには、当然ながらコストがかかります。設立費用は人件費だけでなく、登録費用など金銭面のコストもかかってきます。

まず、会社設立には、法務局に登記申請をするための書類準備が必要です。登記申請書、定款、社員名簿、資本金払込証明書などです。もちろん、これらの手続きはご自身で行うのは難しく、専門家である行政書士などに依頼することになります。

行政書士への依頼費用は、20万円~50万円ほどかかると予想されます。さらに、個人事業主の場合、赤字決算でも税金はかかりませんが、法人の場合は、個人住民税が年間7万円ほどかかってくるので、これも忘れずに計算に入れておきましょう。

2. 管理費用

法人の維持には費用がかかります。税理士との顧問契約が必要です。税理士の先生への顧問料は、年間20万円~50万円程度かかります。

3. 個人の保有資産の利用制限

資産管理会社は法人です。そのため、資産管理会社のお金を自由に使うことはできません。個人資産を自由に使うことが制限されるという点を理解しておきましょう。

資産管理会社設立は誰におすすめ?2つのケース

ここまでメリット・デメリットを説明してきましたので、資産管理会社設立がおすすめなケースを2つのパターンに分けて説明します。

ケース1:課税所得が900万円を超える方

日本の所得税は累進課税です。所得が大きければ大きいほど税率が高くなります。課税所得が900万円を超えると、所得税率は33%になります。さらに住民税10%、特別所得税0.693%が加算されると、合計で43.693%の税金がかかります。

これに対し、法人税の実効税率は約33%です。課税所得が900万円を超える場合は、資産管理会社を設立した方が節税メリットが大きくなる傾向があります。下図の表をご参照ください。

ケース2:事業法人の経営者の方

事業法人の経営者の方にとって、資産管理会社の役割は非常に重要になります。事業拡大だけでなく、持続的な存在となるために、資産管理会社の活用は効果的です。

節税メリットも莫大ですが、相続対策や事業承継の事前準備としても大きな意味を持ちます。

ドバイ移住と資産管理会社:税制面でのメリット

ここまで、日本国内での資産管理会社設立について解説してきましたが、このスキームは日本国内にとどまりません。日本国内での節税対策だけでなく、海外に目を向けることも可能です。

特に、ドバイは、個人所得税が0%という魅力的な税制を持っています。ドバイに資産管理会社を設立する場合、法人税率は9%です。日本の実効税率33%と比較すると、大幅な節税が期待できます。さらに、ドバイでは、個人所得税だけでなく、住民税や不動産取得税なども0%です。

注意が必要な点は、海外移住による相続税や贈与税の回避は、厳しい法的規制がありますので、しっかりと確認が必要です。

ドバイ移住における条件と税制

ドバイの税制、特に個人所得税が0%という点に魅力を感じますが、ドバイに移住する上での条件や税制について、もう少し詳しく説明します。

ドバイ移住の条件として、まず重要なのが、税務上日本の非居住者になることです。この点については、次の動画で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

まとめ

本日は、資産管理会社のメリット・デメリット、そして、ドバイ移住との関連性について解説しました。資産管理会社設立は、税金対策として非常に有効な手段ですが、設立コストや管理費用、資産利用制限などのデメリットも考慮する必要があります。

ドバイ移住は、税金対策の究極形と言えるでしょう。個人所得税が0%であるため、日本の高税率に悩んでいる方にとって魅力的な選択肢となります。ただし、ドバイ移住には、日本での非居住者になることなど、いくつかの条件があります。

今回の動画が、皆様の資産管理の一助となれば幸いです。ご視聴ありがとうございました。

(動画内で紹介されていた、ドバイ総合研究所の公式LINEアカウントへの案内を追記するなど、必要に応じて調整してください。)