AI時代のワークフロー:AI Advantageチームが日々の業務で実際に使用しているAIツール10選
- 2024-12-05
AI時代のワークフロー:AI Advantageチームが日々の業務で実際に使用しているAIツール10選
この記事では、AI Advantageチームが日々のワークフローで実際に使用し、効果を実感しているAIツールを10個紹介します。単なるツール紹介ではなく、それぞれのツールがどのように業務を効率化し、どのような課題を解決しているのか、具体的な活用事例と共に深く掘り下げて解説します。 AIを活用した生産性向上に悩む皆様にとって、有益な情報となるでしょう。
はじめに:AI Advantageチームの活動とワークフロー
AI Advantageチームは、5名のフルタイムメンバーと、毎週定期的なタスクをこなす8名のフリーランサーで構成されています。私たちの主な活動は大きく分けて2つあります。
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YouTubeと無料コンテンツ制作: AI関連の最新リリースやイノベーション、機能性の調査・テスト、YouTube動画やニュースレター、そしてコミュニティの無料エリアにあるTierリストのためのコンテンツキュレーションを行っています。これは、AI分野の最新情報を常に把握し、ユーザーに分かりやすく伝えることを目的としています。
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有料コミュニティ運営: AI Advantageコミュニティは、実践的なスキルを学び、パーソナライズされたサポートを受けられる学習プラットフォームです。毎週約10個のガイドを作成し、様々なトピックに関する約20回のイベントを開催しています。これらの活動は、AIツールの活用によって支えられています。
上記2つの活動において、AIツールは単なる補助ツールではなく、ワークフローの中核を担っています。チームメンバーがこれらのツールを使いこなし、AIツール教育という形で価値を生み出しています。
AI Advantageチームが実際に使用しているAIツール10選
私たちは毎週多くのAIツールを試していますが、実際にワークフローに定着しているのは以下の10個です。 これらのツールは、スポンサーシップによるものではなく、私たちが実際に費用を負担して使用し、その効果を実感しているものです。
1. Adobe Photoshop & Adobe Premiere Pro
Adobe Photoshop: 生成フィルツールやAI搭載の選択ツールなど、AI統合が非常に優れています。グラフィックデザインの80%をPhotoshopで行っているため、これらのAI機能は作業効率を劇的に向上させています。具体的なメリットとしては、
- 領域の塗りつぶし: 特定の領域を塗りつぶす際に、従来のマニュアル作業(マスク作成、オブジェクトの配置、ブレンド調整、光の調整)が不要になり、数秒で完了します。
- オブジェクトの選択: 複雑なオブジェクトの選択もAIが自動で行うため、時間と労力の削減に繋がります。
- バージョン作成の高速化: AIツールの活用により、短時間で多くのバリエーションを作成できるようになりました。
Adobe Premiere Pro: 生成拡張機能はそれほど頻繁には使用しませんが、トランスクリプション機能は不可欠です。AIによる自動トランスクリプション機能により、動画編集の最初のステップである「ラフカット」の作成が大幅に高速化されました。具体的には、
- 自動トランスクリプション: 動画全体のトランスクリプトを作成し、不要な部分を自動的に削除します。
- 作業時間の削減: 毎週約5時間(動画2本の場合)の作業時間を削減しています。動画本数が増えれば、削減時間も比例して増加します。
この機能は、私たちのワークフローにおいて、もはやなくてはならないものとなっています。
2. Artflow.AI
カスタム画像生成プラットフォームです。以前は自分の顔を簡単にトレーニングできることや、豊富なプリセットが魅力でしたが、最近はStable Diffusion系のモデル(Flexなど)への移行が進んでいます。それでもArtflow.AIは、
- 豊富なプリセット: 新しいシナリオやプロンプトエンジニアリングを考えずに、既存のプリセットにカスタムアバターを適用することで、すぐに高品質な画像を生成できます。
といった利便性から、現在も頻繁に使用しています。
3. Canva AI
ソーシャルメディア用のグラフィックを素早く作成する際に使用します。Photoshopユーザーが多いチームにおいては、Canva AIは補助的な役割を担っています。
- 迅速な作成: Instagramストーリーやカルーセルなど、迅速な作成が必要な際に非常に便利です。
- AI機能の活用: 画像編集や生成機能が、ワークフローの高速化に貢献します。
ただし、PhotoshopのAI統合と比較すると、その効果は限定的です。Canva AIは、よりビジョンが明確でPhotoshopの知識があるユーザーには冗長な部分もあります。初心者向けのツールと言えるでしょう。
4. ChatGPT
説明不要の、私たちのLLMの主力です。チームプランを利用しており、チームメンバー全員が共有して利用しています。
- 多様な活用: ブレインストーミング、リライト(OpenAIの機能)、データ分析・要約、APIを通じた高度な活用など、様々な用途で使用しています。
- 高度なツール: 高度な音声モードやGPTモデルの豊富さが、他のLLMとの差別化要因となっています。
OpenAIが積極的に技術革新を進めているため、私たちは常に最新機能を活用しています。
5. Claude
個人サブスクリプションで利用しています。チームメンバー数名も個人契約をしています。Claudeの最大の強みは、Claude 3.5 Sonnetによるコード生成能力です。
- 高度なコード生成: 開発関連のプロジェクトや個人的なスクリプト作成において、非常に効率的なコードを生成します。
開発チームにとって、Claude 3.5 Sonnetはなくてはならない存在です。 ChatGPTのOne Previewも優秀ですが、コード生成に関してはClaude 3.5 Sonnetが優位です。
6. Descript
AIネイティブな動画編集プラットフォームです。AIによるトランスクリプション機能に加え、
- 高度な編集機能: トランスクリプト上で直接編集できるため、まるでWord文書を編集するような感覚で動画編集が行えます。
- 自動要約: 「簡潔にする」といった指示で、トランスクリプトを自動的に要約することができます。
といった、Premiere Proを凌駕する機能を備えています。トランスクリプションとタイムスタンプ生成、特にライブストリームの編集に頻繁に使用しており、非常に便利なツールです。コストは高めですが、使いやすさと機能の豊富さを考慮すると、費用対効果は高いと言えます。
7. ElevenLabs & HeyGen
ElevenLabsは音声生成、HeyGenはアバター生成に用いています。これらは、冒頭で紹介した1分間のクイズで主に使用しています。
- クイズ動画生成: クイズの結果に基づいて、HeyGenで生成した自分のアバターとElevenLabsの音声でカスタム動画を生成します。
- 効率的な更新: リソースやプロンプトの更新時に、動画を再録画する必要がなく、スクリプトを修正して再生成するだけで済みます。
このワークフローは、無料リソースの配信をよりパーソナライズかつ効率的に行うことを可能にしています。 動画クオリティは本物の人間の動画に比べて若干劣りますが(60~70%程度)、教育コンテンツとしては十分なクオリティです。コミュニティ内でのコース作成にも活用しています。
8. Flux & Replicate
Fluxはカスタムモデルのトレーニング、Replicateはそのプラットフォームとして利用しています。 Stable Diffusion系のモデルをReplicate上でトレーニングし、主にサムネイルデザインに使用しています。
- 高品質画像生成: 背景や全体の画像クオリティ、そして自分のアバターの類似度において、他の方法より優れていると感じています。
- クラウドベースの利便性: ローカルでの実行も可能ですが、クラウドベースの方がチームメンバーとの共有やメンテナンスが容易です。
ローカル環境でのAIコンピューター導入を検討しましたが、プライバシーの観点から、クラウドベースの方がメリットが大きいと判断しました。
9. Gamma AI
AIネイティブなプレゼンテーション作成アプリです。
- テキストからのプレゼンテーション作成: テキストを入力するだけで、美しいプレゼンテーションを自動生成します。
- AI画像生成: プレゼンテーションに最適な画像をAIが自動生成します。
- 自然言語による編集: 自然言語で指示を出すだけで、スライドの内容を簡単に変更できます。
PowerPointのCopilotが目指すべき姿と言えるでしょう。無料版でも使用可能ですが、ウォーターマークが付きます。プレゼンテーション作成の効率化に大きく貢献しており、私自身の講演や教育活動においても活用しています。
10. Gemini (Google Meet)
Google Meetに統合されたGeminiアシスタントを使用しています。
- 会議要約: 会議の要約を自動生成します。
- 効率的な情報共有: 会議内容の共有を効率化し、重要な情報を逃すことがなくなりました。
他のビデオ会議ツールにも同様の機能がありますが、Google Workspaceを利用しているため、Google MeetとGeminiの組み合わせが最適です。会議のトランスクリプトは、念のため人間の目を通して確認し、AIによる幻覚(hallucination)がないかチェックしています。
11. Make (Integromat)
ノーコード自動化プラットフォームです。以前はスポンサーシップを受けていましたが、その前から使用し、その有用性を証明しています。
- 初心者向け: プランが初心者向けで使いやすいです。
- プロンプトプリセットのエクスポート: ブループリントにプロンプトプリセットを含めてエクスポートできるため、他の自動化ツールと比較して、再利用や共有が容易です。
- 無料プラン: 無料プランで利用を開始でき、学習コストを抑えられます。
AI Advantageコミュニティでは、約35~40個もの自動化フローを実行しており、コミュニティメンバーの分類や、パーソナライズされたリソースの配信などに活用しています。
12. Midjourney
アート生成の主力ツールです。コミュニティやショップのバナー、イベントガイド、リソースなどに、カスタムバナーを生成するために使用しています。
- 視覚的な魅力: 魅力的なビジュアルを生成できます。
- スタイルの一貫性: 特定のスタイルガイドを維持することで、コミュニティ全体で視覚的な一貫性を保つことができます。
Art生成においては、現在でも最高のツールだと考えています。
13. Notion AI
Notionに統合されたAI機能です。リサーチ、動画制作、コミュニティ管理など、あらゆる業務で使用しています。
- 多様な活用: リサーチ、動画制作、コミュニティ管理、アイデアの整理、フィードバック収集、ガイド管理、イベントスケジューリングなど、Notion上のあらゆるタスクで活用しています。
- データ変換: AI機能を使って、データのフォーマット変換も行っています。
14. Perplexity AI
AI検索エンジンです。ChatGPTの検索機能と併用していますが、
- 人間の意見の収集: 製品レビューや人間の意見を収集する際に使用しています。
- 事実確認: 事実確認のための検索にも利用しています。
- 比較機能: 2つの製品を比較するなど、具体的な質問に対して、複数の情報源を比較した回答を提示してくれる点が便利です。
15. Runway
動画制作に用いています。主に動画の背景削除(グリーンバックのような処理)、MidjourneyやFluxで生成した画像のアニメーション化に活用しています。
- 動画編集: YouTube動画のBロール素材を簡単に作成できます。
- 動画のクオリティ向上: 視覚的な魅力を高めるのに貢献しています。
現状ではまだ実験的な段階ですが、将来的な可能性を秘めたツールです。
16. Zapier
ノーコード自動化ツール。Makeと併用しています。Makeよりも高価ですが、特定のアプリとの連携においてはZapierが優れています。MakeとZapierを使い分けることで、より柔軟で効率的な自動化を実現しています。
まとめ:AIツールとの共存で生まれる未来
この記事では、AI Advantageチームが実際に使用しているAIツールを紹介しました。これらのツールは、私たちのワークフローを劇的に改善し、生産性を向上させています。 AIは単なるツールではなく、私たちの仕事のパートナーとして、創造性を拡張し、新しい可能性を開拓する存在となっています。 AIツールの活用は、単に業務効率を上げるだけでなく、より質の高いコンテンツ制作や、より充実したコミュニティ運営につながっています。
今後もAI技術は進化し続けるため、私たちは常に新しいツールや技術をテストし、ワークフローに最適なものを選んでいきます。 このブログを通じて、皆様のAI活用にも貢献できれば幸いです。 もし、この記事で紹介されていない、おすすめのAIツールがあれば、ぜひコメント欄で教えてください!