AIエージェントツール「Kurain」徹底レビュー!VS Code拡張機能でコーディングを劇的に効率化できるか?
- 2025-01-12

AIエージェントツール「Kurain」徹底レビュー!VS Code拡張機能でコーディングを劇的に効率化できるか?
こんにちは!にゃんとです。今回は、AIエージェントのツール「Kurain」について徹底的にレビューしていきます!近年、AIがプログラムを書いてくれるツールが急速に進化していますが、皆さんはついていけていますか?
AIコーディング支援ツールの進化
少し前までは、GitHub CopilotやCursorといったツールが有名どころでした。私の過去の動画でもこれらのツールを紹介しているので、興味があればぜひご覧ください。これらはプログラムを書くのを補助してくれる便利なツールとして紹介していましたが、「補助」という点に着目すると、Kurainとは大きく異なる点があります。
従来のツールは、プログラマーがコードを記述していく過程で、次のコードを予測して候補を提示し、Tabキーを押すとコードを自動補完するものでした。しかし、言語モデルの性能向上に伴い、プログラマー自身がコードを書く必要性は薄れつつあります。Tabキーを押すだけで、予測通りにプログラムが記述されていく…そんな時代が到来しつつあり、日々使い勝手が向上しているのです。
おそらく、こうしたツールを普段から使っている方は、もうこれらのツールなしではプログラムが書きたくないと感じているのではないでしょうか。
文書の執筆にも活用可能?日本語対応状況は?
面白いことに、最近では文書作成にも同様のコーディング系のツールが使われています。例えば、「このアプリケーションは」と入力すると、次に続きそうな文章を予測して提示してくれるのです。
日本語の性能も比較的高いので、ブログ記事の作成や本の執筆などにも活用できる可能性を感じています。興味のある方は、ぜひCursorやGitHub Copilotを触ってみてください。GitHub Copilotは回数制限はありますが、無料で何回か使用できます。まだ触ったことがないという方は、今がチャンスかもしれません。
Kurain:AIエージェントが主体的にコーディングする革新的なツール
しかし、ここ最近のトレンドとして、AIエージェントと一緒にコーディングする、というアプローチが増えてきています。従来のコード補助ツールはあくまで人間がコードを書くのを助けるもので、コードを書いているのは人間が主体でした。しかし、AIエージェントのツールは、AIが主体となり、プログラムを作成してくれます。
今回紹介するKurainもまさにその一つです。このツールを使うと、AIがプログラムを書いてくれるのはもちろんのこと、AIがエラーを理解してコードを修正したり、自らブラウザを開いて動作確認をしたりといった、高度な機能も備えています。
Kurainの使い方:VS Code拡張機能としてインストール
それでは、Kurainを早速使ってみましょう。まずは、KurainのGitHubページを確認しましょう。
KurainはVS Codeの拡張機能として使えるツールです。VS Codeを使っているプログラマーは多いと思います。Microsoftが開発しているエディターで、プログラムコードを書いたり、文章を書いたりすることができます。VS Codeは拡張機能として様々なツールを追加できますが、Kurainはその中の一つです。
拡張機能として導入できる点が嬉しいポイントです。CursorなどのAIエージェント系のツールは、会社で使用しようとするとセキュリティ面で課題が出てくることもありますが、VS Codeの拡張機能なので比較的導入しやすいと言えるでしょう。
Kurainを使用するための準備
Kurainを使用するには2つの準備が必要です。
- VS Code: KurainはVS Codeの拡張機能なので、まずVS Codeが必要です。私はCursorというVS Codeベースのエディタを使ってKurainを使っています。Cursorに興味のある方は、ぜひ調べてみてください。
- APIキー: Kurainは言語モデルを使ってコーディングを行うため、言語モデルを使うためのAPIキーが必要です。APIキーを使うと、利用した分だけ料金が発生する従量課金制になります。
言語モデルの選択:Hugging Faceのモデルを活用
APIキーを設定する際に、どの会社の言語モデルを使えば良いのか迷うかもしれません。一つのベンチマークとして有名なのが「SuiBench」です。AIエージェントを使ってプログラムのバグ修正をどれくらいできるのかを評価し、ランキング形式でまとめています。
このリーダーボードを見てみると、Amazon CodeWhispererなど様々なものがありますが、言語モデルだけを見ると、AnthropicのClaude 3.5 Sonnetが強いことが分かります。他にも、Delphなどあまり聞きなれないモデルもありますね。
AnthropicのClaude 3.5 SonnetとOpenRouter
今回は、OpenAIのモデルでもGoogleのモデルでもなく、AnthropicのClaude 3.5 Sonnetを使ってみましょう。実際にプログラムをやっている方は、このSonnetがめちゃくちゃ強いと感じているのではないでしょうか。私の体感値とこのランキングは一致していると感じています。
しかし、AnthropicのClaudeモデルは利用回数の制限がかなり厳しいという問題があります。Kurainのように何度もAPIを利用するようなAIツールをClaudeで使うと、利用回数制限に引っかかってしまい、エラーが出て使いづらくなってしまうのです。
OpenRouter:複数のAPIをまとめて管理
もちろん、課金すれば利用回数の制限は上がりますが、通常はそこまで課金しないと思います。そこでおすすめなのが、OpenRouterというサービスです。このサービスは、一つの課金体系で様々な会社のモデルのAPIを利用できるというものです。
例えば、OpenAIのGPT-4 OmniのモデルをAPIから利用しようとすると、OpenAIの公式ページに行って課金しなければいけません。AnthropicだったらAnthropicの会社でアカウントを作って課金しなければいけません。様々な会社にアカウントを作って課金する管理は面倒です。
しかしOpenRouterなら、一つのアカウントで課金すると、そのアカウントに紐づいて様々な会社のAPIを使えます。アカウントを一元管理できる便利なサービスです。Kurainを使うときは、先ほど紹介したように本家のClaudeを使うと利用回数制限が厳しいので、多くの人がOpenRouterを使っているようです。OpenRouterの利用トークン数のランキングでKurainが1位になっていることからも、その人気の高さが分かります。
Kurainのインストールと設定
それでは、早速Kurainを使っていきます。まずはVS Codeを開いて、拡張機能を追加しましょう。VS Codeの左上のブロックマーク(Ctrl+B)を押すと、拡張機能の画面が出てきます。そこで「Kurain」を検索します。
可愛いロボットが出てきますね。元々は「ClaudeDev」という名前でしたが、現在は「Kurain」という名前に変わっています。インストールしましょう。インストールが完了すると、Kurainが追加されているので、上の方へ移動させてピン留めしておきましょう。
APIキーの設定と動作確認
Kurainをクリックすると、最初にAPIキーの設定を求められます。OpenRouterで作成したAPIキーを設定します。OpenRouterのページに行き、キーのところからAPIキーを作成できます。
コピーして貼り付け、「Let’s go」をクリックします。設定が完了すると、SettingのAPIプロバイダーとしてOpenRouterが、モデルとしてClaude 3.5 Sonnetが選択されています。他にもClaudeのモデルやFreeと表示される無料で使えるモデルも選択できるので、お試しであればこちらを使ってみても良いと思います。
今回はAnthropicのClaude 3.5を使用します。使い方は非常に簡単で、「New Task」を押して、例えば「株価を分析するアプリをStreamlitで作成してください」と入力します。
AIエージェントによる自動コード生成とエラー処理
APIが実行され、会話形式で処理が進みます。最初はアプリを作成していく計画が立てられ、そのためにコードを実行します。APIの利用料金は0.05ドルかかっています。
実行すると、ターミナルが実行されますが、エラーが出てしまいます。「&&」の代わりに「;」を使う必要があると指摘され、コマンドが修正され、再実行されます。
プログラムを実行したらエラーが出たので、そのエラーをKurainが自動で検知して、修正するコマンドを提案してくれたのです。実行してみましょう。すると、正しく実行でき、「stock_analysis」というディレクトリが作成されます。
様々なプログラムをインストールするための仮想環境を作成し、環境構築をしてくれます。ここは時間がかかるので待ちましょう。自動でやってくれるので楽ですね。インストールが終わると、コーディングが始まり、パッケージをインストールした後に、株価分析のPythonスクリプトを書いてくれます。
オートアプルーブ機能と効率化
Kurainがファイルを作成しようとすると許可を求めてきます。毎回許可するか拒否するかを選ぶのは面倒なので、「Auto Approve」をオンにします。アプリを作る上で、ファイルを開いたり編集したり、コマンドを実行したり、ブラウザを使ったりといったものを許可する設定です。
こうすることで、人間が許可しなくても勝手に色々やってくれます。コードの記述が正しくできているかをチェックしてくれます。しかし、「Auto Approve」にしたにもかかわらず、セーブがされていないようで、再度チェックが必要でした。
「app.py」を作成し、次にStreamlitのアプリを起動して動作を確認します。しかし、またエラーが出たようです。自動でブラウザが開いて、アプリケーションを立ち上げてくれました。しかし、株価が表示されていません。
原因を調べてみると、JPをつける必要があるようです。コードを修正してくれますが、実はJPではなくTをつけるのが正しいようです。結局、失敗しました。
Kurainの利便性と限界
初見のコードは正しいです。他の原因を考えてください、と表示されています。様々な修正をしてくれますが、パッケージのバージョンを変更するなど、修正が続きました。利用料金は0.67ドルにまで上がっています。
そして、アプリを立ち上げてくれます。しかし、微妙に表示がうまくいっていません。何回か試行錯誤するとうまくいきますね。すっきりしないものの、成功という事で良いでしょう。しかし、実際にはエラーが出ていました。
リハーサル時は成功したものの、本番撮影で失敗してしまいました。しかし、Kurainがどのように動くかというイメージは皆さんに伝わったかと思います。
KurainはAIエージェントツールなので、私が一行もコードを書かずにアプリケーションを作成してくれます。エラーが出ても、Kurainが自動でエラーを読み込んで修正してくれます。非常に便利です。
Kurainのその他の機能と注意点
KurainでClaudeのSonnetを使うと、ブラウザを表示して動作確認をしてくれます。これはAnthropicが開発したComputer Useという機能を使っていると思いますが、フロントエンドのUI開発をしている場合は、ここまで自動でやってくれたら便利ですよね。
実は、今回実現したエージェント型のアプリ開発は、Cursorの機能でも少し前に追加されていました。「Composer」のエージェントモードにすれば、エラーが出ても自動で確認して修正する機能があります。ただし、Cursorの場合はComputer Useはまだ使えないようです。Kurainの場合は、基本的には従量課金制で使えるOpen Sourceのソフトウェアなので、導入のハードルは低いと言えます。
今回のアプリ開発では70万トークンを使用し、出力は4000トークンでした。合計0.7ドルかかっています。少し使いすぎかもしれませんね。
エージェントを作ったことがある方は分かると思いますが、毎回の動作で過去の履歴を全部入れ込まないと次の動作が適切に選択されないので、毎回これまでの履歴を全部入れて、一回一回処理が行われるのです。その分利用するトークン数が増えて、料金がかかってしまうのです。
しかし、KurainはPrompt Cachingと言って、同じ入力であれば安く使える機能があるので、なるべく安く利用できるように工夫されています。
他の機能としては、MCPサーバーを利用できます。過去の動画で紹介していますが、他のシステムと自由に連携するような設定ができます。例えば、Web検索ができるMCPサーバーを登録しておけば、Kurainが何かタスクを実行している時に、自動的に必要な情報を探してくれます。Cursorなどにはない機能です。
現状ではデフォルトで自由にファイルにアクセスできるので、使い道は思いつきません。カスタムインストラクションズで、Kurain実行時のプロンプトを設定できます。先ほどの日本語での実行などです。
DeepSeek V3モデル:低コストで高性能な選択肢
料金が気になるという方は、最近リリースされたDeepSeek V3というモデルがあります。これはコーディング能力においてClaude 3.5 Sonnetに匹敵するほど強いと言われ、料金が1/10程度で使えるようです。しかし、DeepSeek V3を使用する際の注意点として、入力データが学習されてしまう可能性があるため、重要な情報を取り扱う場合は注意が必要です。
まとめ:Kurainのポテンシャルと今後の展望
Kurainについて紹介してきましたが、皆さんはどう感じましたか?昨年まではコーディングをサポートしてくれる便利なツールだと思っていましたが、このようなツールを使えば、叩き台を作ってくれたり、小規模な開発であれば大体出来てしまうかもしれません。
しかし、作成したコードをプロダクトとして運用していくとなると、まだまだ動作不安定だったり、運用していくのが怖いという懸念もあります。もう少し精度が上がっていかないとなかなかこのツールだけで開発が完結するような状況にはならないのではないかと感じています。
何か感想などがあればコメントで教えてください。今回紹介できなかったLukeKurainなどの便利なAIコーディングツールについても、今後動画にしたいと思います。
最後に宣伝ですが、公式LINEをやっています。概要欄から友達登録して「プレゼント」と入力すると、ChatGPTやDeFiに関する資料をプレゼントしています。興味があれば見てみてください。Udemyというプラットフォームでも生成AIに関するコンテンツを販売していますので、そちらも興味があればぜひ見てください。
以上で本日の動画を終了したいと思います。この動画が良かったなと思ってくれた方は、高評価、コメント、チャンネル登録の方よろしくお願いします!それではまた次回の動画でお会いしましょう!バイバイ!