2b2tにおける伝説の建造物「看板彗星」の破壊と、その歴史的背景

2b2tにおける伝説の建造物「看板彗星」の破壊と、その歴史的背景

2b2tにおける伝説の建造物「看板彗星」の破壊と、その歴史的背景

皆さん、2b2tというサーバーをご存知でしょうか?荒らし、チート、ハッキング…その全てが許されている、Minecraftサーバー界の異端児です。10年以上、一度もサーバーリセットされておらず、戦争の歴史、チートの歴史、そして建築の歴史…様々な歴史が今なお続いています。

本記事では、そんな2b2tにおいて、長きにわたり存在し、そしてついには破壊された伝説的な建造物「看板彗星」に焦点を当て、その歴史的背景を徹底的に解説します。

ジギーベースと、その驚愕の建造物

まず最初に紹介するのは、2b2tのクラン「ジギーS」と「パッシー05」によって建設された「ジギーベース」です。通称「ジギータウン」と呼ばれることもあるこの建造物は、2b2tの混沌とした世界において、その規模と精巧さでプレイヤーたちを魅了しました。

しかし、2b2tというサーバーの性質上、荒らしが日常茶飯事。多くの建築物が一瞬にして破壊されてしまうため、ジギーベースに関する記録はほとんど残っていません。奇跡的に残されたわずかな記録と、筆者の調査に基づき、ジギーベースの魅力と、その悲劇的な最期を紐解いていきましょう。

ジギーベースの驚異的な建築技術

ジギーベースの最大の特徴は、その徹底的な自由度にあります。2b2tでは荒らしが許されているため、建築物はいつ破壊されるか分かりません。そのため、プレイヤーは自身の理想を追い求め、短期間で建築を行う傾向にあります。

ジギーベースは、この常識を覆す建造物でした。

  • 巨大な城塞: まるで中世の城郭のような壮大な規模を誇ります。
  • 精緻な細部: 細かい装飾まで施されており、建築者の高い技術とセンスが光ります。
  • 戦略的な配置: 防御を考慮した配置になっており、荒らしへの対策も万全です。

ジギーベースの建築は、2b2tの環境を踏まえた上で、長期的な視点で建設されたと言えるでしょう。

ジギーベースに残された謎 - エンダードラゴンの卵

ジギーベースには、通常入手困難なエンドラゴンの卵が1つ置かれていました。これは、2b2tにおいて重要なアイテムであり、その存在は多くのプレイヤーを驚かせました。なぜジギーベースにエンドラゴンの卵が存在したのか?その謎は、後述する「看板彗星」の物語に深く関わっています。

エンドラゴンの卵の入手は、2b2tでは事実上不可能です。

看板彗星:不可能を可能にした驚異の建造物

ジギーベースの奥深く、ジギーベースを凌駕する凄まじい建造物が存在しました。それが、看板彗星です。これは、入手不可能な看板ブロックを大量に使用して建設された、まさに伝説的な建造物でした。

その規模、デザイン、そして何より、看板ブロックを使用しているという事実。全てが2b2tにおける奇跡でした。

看板彗星の構造:綿密な設計と圧倒的な規模

看板彗星は、複数の塔から構成されています。

  • 東側: 巨大な城塞のような構造。精巧な内装と、複数の階層を持つ複雑な内部構造が特徴です。
    • 1階: 大量の竈が配置された、まるで工場のような空間。これは実用性とインテリアの両方を兼ね備えた設計です。
    • 2階: 作業台が整然と並べられた、作業場のような空間。
    • 3階: 小さなチェストと大きなチェストがサイズごとに分けられて配置されています。
    • 4階: ディスペンサーが備え付けられた、高度なシステムが導入されている可能性のある空間。
    • 5階: 寝室。
  • 西側: 複雑な迷路のような構造。その奥には、さらに別の構造物が隠されています。

東側の塔は、機能性を重視した設計となっているのに対し、西側の塔は、謎めいた雰囲気を醸し出しています。これは、看板彗星の建築における、多様なテーマ性を感じさせます。

看板彗星の謎:なぜ看板ブロックが使われたのか?

看板彗星が作られた最大の謎は、その素材です。看板ブロックは、2b2tにおいて、通常の手段では入手できないアイテムです。看板彗星は、プレイヤーの手で入手不可能な看板ブロックを大量に使用して建設されているのです。

看板彗星の誕生:ポップボブとクリエイティブ権限

看板彗星の建設に深く関わっているのは、2b2tにおける最初のチーターの一人であるポップボブです。彼は、サーバー管理者であるハウスマスターをハッキングし、クリエイティブ権限を不正に取得しました。そして、その権限を数人の荒らしプレイヤーに配布したのです。

パッシー05はこのクリエイティブ権限を利用して、看板彗星を建設しました。しかし、ポップボブのハッキングが発覚し、ハウスマスターはバックドアの使用を停止しました。結果として、クリエイティブ権限は奪われ、その後看板ブロックを入手することは不可能になりました。

看板彗星の破壊:アンチベッドロックソサエティとクランスメン

看板彗星は、2012年から2020年まで、2b2tの世界に君臨していました。しかし、2020年5月9日、アンチベッドロックソサエティ通称「反看板教会」と呼ばれる、看板ブロックを許さないカルト集団が、看板彗星を破壊しようと動き出しました。

看板彗星防衛軍の奮闘

看板彗星の破壊は容易ではありませんでした。看板ブロックは、TNTやピッケルでは破壊できない特性があります。しかし、アンチベッドロックソサエティは、複数のプレイヤーによる攻撃を仕掛けました。

看板彗星を守るため、プレイヤーたちは奮闘しました。彼らはインフィニティ・インカージョンが開発した、スポーン地点を水で埋め尽くす技術「プロジェクウォーターキューブ」に対抗策として、水の壁を構築しました。

7時間に及ぶ激戦:ジギータウン戦争

2020年8月2日、アンチベッドロックソサエティは、ついに看板彗星に総攻撃を仕掛けました。この戦闘は、「ジギータウン戦争」として知られており、なんと7時間にも及ぶ大規模なPvPとなりました。数十人のプレイヤーが、エンドクリスタルを用いて、壮絶な戦闘を繰り広げました。

そして、看板彗星の消滅

しかし、インフィニティ・インカージョンの協力を受けたアンチベッドロックソサエティのクランスメンは強大でした。最終的に、看板彗星は破壊されました。

看板彗星が持つ意味

看板彗星は、2b2tにおける「不可能を可能にした」建造物でした。それは、技術、知識、そしてプレイヤーたちの創意工夫の結晶であり、その破壊は多くのプレイヤーに衝撃を与えました。

ハウスマスターの決断

しかし、驚くべきことに、ハウスマスターは看板彗星を削除しませんでした。ハウスマスター自身は、看板彗星の芸術性を認め、その削除を拒否したのです。

結論

2b2tというサーバーにおいて、「不可能」という言葉は、良い意味でも悪い意味でも存在しません。看板彗星は、2b2tの歴史において、まさにその象徴と言えるでしょう。

最後に、看板彗星の建設と防衛に携わったパッシー05の言葉を引用して、本記事を締めくくりたいと思います。

2b2tでは全てのものが壊される。 たとえそれが壊せないものだとしても。

この言葉が、2b2tというサーバー、そして看板彗星の物語を象徴していると言えるでしょう。