2025年問題:高齢化社会の現実と私たちが備えるべきこと
- 2023-10-27
2025年問題:高齢化社会の現実と私たちが備えるべきこと
はじめに:迫りくる2025年問題とは?
2025年問題、一言で言うと「高齢者がめちゃくちゃ増える」ということです。 これは単なる統計上の数字ではなく、私たちの社会構造、経済、そして個々の人生に深刻な影響を与える現実的な問題です。 この問題の本質、そして私たちが将来に備えて何をすべきかについて、深く掘り下げていきましょう。
高齢化の現状:衝撃的な数字と未来予測
日本の高齢化は、右肩上がりで進行しています。特に2025年問題は、第1次ベビーブーム世代が後期高齢者(75歳以上)となるタイミングと重なります。その規模は想像を超えるものがあります。
- 高齢者人口の増加: 日本全国1.2億人のうち、後期高齢者(75歳以上)は2180万人。65歳以上を含めると、人口の約30%以上が高齢者となる見込みです。
- 高齢者の割合: 5.6人に1人が後期高齢者、3.3人に1人が高齢者という、世界的に見ても類を見ない高齢化社会が到来します。
この急激な高齢化は、単に「高齢者が増える」という事実以上に、様々な問題を複雑に絡み合わせ、私たちの社会を揺るがしかねないのです。
2025年問題がもたらす課題:医療費の高騰と社会保障費の逼迫
高齢化社会における最大の課題の1つは、医療費の高騰です。
- 医療費の増加要因: 高齢化に伴い、一人当たりの医療費が増加するのは当然のこと。しかし、後期高齢者になると、医療費の自己負担割合が減るため、負担額は減少します。 一見良いように見えますが、この「負担割合の減少」が、社会全体の医療費増加と社会保障費の逼迫という深刻な問題を引き起こすのです。
- 75歳以上の医療費負担: 75歳以上は、基本的に一般所得者や低所得者は1割負担となります。 病院や介護施設に通う場合、多くの場合3割負担ですが、75歳以上になるとこの負担が1割に軽減されるのです。
- 社会保障費の負担: 負担割合が減った分、残りの7割は社会保障費によって補填されます。 この負担は、現役世代が社会保険料や税金によって担うことになります。
現実逃避できない高齢化:増え続ける高齢者と減り続ける若者
日本の労働人口や子供の数は年々減少傾向にあります。2024年の出生数は70万人を下回るという予測もあり、この状況は、2025年問題をより深刻なものにします。
- 現役世代の減少: 少子高齢化により、現役世代が減少し、高齢者を支える負担はますます大きくなります。
- 一人当たりの負担増加: 現役世代が減ることで、一人当たりの社会保障負担額が増加。増税は避けられない状況です。
増税の現実:私たちが直面する税負担の増加
高齢化による社会保障費の増大を補うため、政府は増税を検討しています。
- 検討されている増税: 消費税、法人税、所得税、道路利用税、炭素税、相続税、退職所得課税の緩和撤廃、金融所得課税などが検討されています。
- 増税のインパクト: 政府は「国民に努力を」と訴える一方、投資でお金を増やしてねという矛盾した政策に、国民は疲弊感を募らせています。
投資は魔法の杖ではない:将来への備えの現実的な方法
投資は将来の生活を豊かにする手段ではありますが、必ずしも成功が保証されているわけではありません。 2025年問題への対処において、投資だけに頼ることは危険です。
長く働くことが鍵:将来設計を見据えた戦略
高齢化が進む中で、長く働くことが、経済的な安定を確保する重要な戦略となります。
- 年金制度の崩壊への備え: 年金制度は、現役世代の保険料によって支えられています。 若者が減り、高齢者が増える現状では、年金額の減少は避けられません。 そのため、年金だけに頼らず、自分自身の力で老後資金を準備する必要があります。
- 老後資金の確保: 例えば、60歳時点で3200万円の金融資産があれば、毎月15万円を積み立てて運用しながら取り崩していくことで、101歳まで資産が持つという試算があります。これはあくまで一例であり、個々の状況に合わせて計画を立てることが重要です。
- 75歳まで働くメリット: 75歳まで働くことで、老後資金の不足を補うことができます。また、社会参加を通じて、健康寿命の延伸にも繋がります。
2025年問題への対策:私たちができること
2025年問題を乗り越えるために、私たちができることは何か? それは、将来への備えをしっかりと行い、長く働くことを意識することです。
- 老後資金の準備: 年金に頼らず、自分自身の力で老後資金を準備することが重要です。 投資信託や不動産投資などを検討するのも良いでしょう。
- 健康寿命の延伸: 健康的な生活を送り、健康寿命を伸ばすことで、医療費の負担を軽減できます。
- スキルアップとキャリア形成: 長く働き続けられるように、スキルアップやキャリア形成に投資しましょう。
- 社会貢献への意識: 高齢者福祉や介護関連の仕事に携わることで、社会貢献しながら老後資金も確保できます。
まとめ:希望と現実的な対応策
2025年問題は、決して楽観視できない深刻な問題です。しかし、適切な準備と戦略があれば、乗り越えることは不可能ではありません。 若い世代は、将来の不安を現実的に捉え、しっかりと備えを行うことが重要です。 そして、高齢化社会を支えるための制度改革や社会全体の意識改革も必要です。 この動画が、皆さんの将来設計の一助となれば幸いです。